現地時間6月5日に開催されたカタール・ワールドカップ(W杯)欧州予選のプレーオフ(パスAの)決勝で、ウェールズ代表とウクライナ代表が前者のホームで激突した。当初は3月に行なわれる予定だったが、ロシアのウクライナへの軍事侵攻を受け、延期されていた。

 大雨が降るなか、立ち上がりから攻勢をかけたのは、いまだ戦火にある母国への特別な想いを持って大一番に臨んだウクライナだ。12分には自陣からの縦パスにヤレムチュクが抜け出し、ペナルティエリア内から右足でフィニッシュするも、GKヘネシーに阻まれる。

 さらに30分には、ペナルティエリア手前でボールを奪ったジンチェンコが、左足で強烈なシュートを放つが、ここもヘネシーの好守に遭う。

 迎えた34分、思わぬ形でウェールズが先制に成功する。エリア手前でFKを獲得し、ベイルがシュート性のクロスを送り込むと、ヘッドでクリアしようとしたキャプテンのヤルモレンコが、誤ってゴールに叩き込んだ。
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 1点リードで折り返したホームチームは、48分にカウンターを発動し、ムーアのラストパスからラムジーがフィニッシュ。しかし、枠を捉えられない。

 55分にはウクライナに決定機が到来。左サイドからのグラウンダーのクロスにツィガンコフが身体を投げ出して合わせるが、ヘネシーのビッグセーブに阻まれる。66分のマリノフスキの左足でのミドルシュートも、惜しくも枠の右に外れる。

 その後もアウェーチームは必死の反撃を続けるが、ヘネシーを中心とした堅守を最後まで崩せず。

 雨中の熱戦は1―0でタイムアップを迎え、ウェールズが1958年のスウェーデン大会以来、64年ぶりのW杯出場を決めた。本大会ではイングランド、イラン、アメリカと同じグループBに入る。

 一方、ウクライナは2006年のドイツ大会以来、16年ぶりに切符を掴み、暗いニュースが続く母国へ吉報を届けることはできなかった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部