今大会初勝利を挙げたイラン
MATCH 17 グループB 第2節
2022年11月25日 13:00キックオフ(会場:アフメド・ビン・アリー・スタジアム)
ウェールズ 0-2 イラン
第1節ではイングランドに6失点と大敗を喫したイラン。一方64年ぶりにFIFAワールドカップへと出場したウェールズは、初戦のアメリカ戦では終盤の猛攻が実を結び、同点に追いついてドローで終了した。互いに初戦で勝利を奪えず、今節は勝点3が欲しい両者の一戦は、中盤から強度の高い攻め合いを見せた。
得失点差「-4」と複数得点が欲しいイランは前半から積極的にゴールを狙う。ケガから復帰したサルダル・アズムンを起点に攻撃を組み立てていくと、7分にはアズムンがボールを収めて自らシュートを放つも防がれる。16分には前線からパスをつないでペナルティエリア内へと進入すると、GKと1対1になったアズムンが逆サイドのアリ・ゴリザデーにパスを送る。ゴリザデーはゴールを決めるも、VARの結果オフサイドの判定でノーゴールとなってしまう。
序盤からイランの攻撃に押され気味のウェールズは、30分ごろからボールを支配してリズムを取り戻す。29分にはムーアの落としに反応したベイルがシュートするもGKに阻まれて得点とはならず。ウェールズは決定機を作れないままイラン優勢で前半を終了した。
後半もイランがアズムンを中心にゴールに迫る。52分にはカウンターから抜け出したアズムンがドリブルで進入して右足を振り抜くも、ボールはポストに直撃してしまう。さらにセカンドボールを拾ったゴリザデーが右サイドからカットインしてシュートを放つも、これもポストに直撃。こぼれ球をアズムンが狙うものの、相手GKに阻まれてゴールネットを揺らすことができない。
アズムンは一度足を痛めて59分にピッチ中央で倒れ込んでしまい交代も予想される中、ピッチに戻ってプレイを続行。しかし68分にアンサリファルドと交代した。
猛攻を続けるイランは72分、エザトラヒが仕掛けてミドルシュートを打つもGKがストップ。ウェールズの好機は83分、こぼれ球を拾ったベン・デイビスがミドルを放つものの、GKが好セーブで防ぎ、両守護神の好守が光り、互いに失点を許さない。
84分には試合展開が大きく動き出す。イランがカウンターからメフディ・タレミが抜け出してチャンスを作ると、飛び出してきたGKヘネシーと衝突。一度はイエローカードを提示されたもののオンフィールドレビューの結果、ヘネシーは退場処分となってしまい、ウェールズは残り時間を10人で戦うことになる。
前半から決定機を作り続け、終盤には数的有利となったイランは是が非でも勝利が欲しい展開に。ウェールズは無失点で勝点1をもぎ取りたいと互いに状況がはっきりとした後半のアディショナルタイムは9分。イランは焦りからか相手ゴール前へと進入できず、遠方からのミドルシュートが増えていく。
それでも最後まであきらめなかったイランに90+8分、歓喜の瞬間が訪れる。クリアボールのこぼれ球を拾ったルズベー・チェシミがペナルティエリア内から右足を一閃。豪快な一撃がゴールネット右に突き刺さり、最終盤でイランが欲しかった先制点を奪う。
先制点を奪ったイランの勢いは止まらない。90+11分には前掛かりとなったウェールズの裏を突き、最後はラミン・レザイアンがGKとの1対1を冷静に決め切ってダメ押しの追加点。歓喜に沸く会場のイランサポーターの興奮は冷めやらぬまま試合は終了の笛が鳴らされた。イランが大敗からの立て直しを図る勝利を手にした。
前半からゴールを脅かし、試合を掌握したイランが最後まで勝利を追求したことで最上の結果を挙げた。イングランド戦では大きな傷を受けたイランだが、この試合で立て直すことに成功した。次節アメリカにも勝利し、連勝で決勝トーナメントへの切符を手にできるか。
終盤に2ゴールでウェールズを撃破
[スコア]
ウェールズ 0-2 イラン
[得点者]
イラン
90+8分 ルズベー・チェシミ
90+11分 ラミン・レザイアン
[ポゼッション]
ウェールズ 48% イラン 32% 中立20%
[シュート数]
ウェールズ 10 イラン 21
[枠内シュート]
ウェールズ 4 イラン 6
[イエローカード]
ウェールズ 1枚
45+3分ジョー・ロドン
イラン 2枚
90+4分ラミン・レザイアン
90+5分アリレザ・ジャハンバフシュ
[レッドカード]
ウェールズ 1枚
86分ウェイン・ヘネシー
[ラインナップ]
ウェールズ
フォーメーション : [3-4-3]
監督 : ロブ・ページ
GK ウェイン・ヘネシー(ノッティンガム・フォレスト/イングランド)
DF
ベン・デイビス(トッテナム/イングランド)
クリス・メファム(ボーンマス/イングランド)
ジョー・ロドン(レンヌ/フランス)
MF
ネコ・ウィリアムズ(ノッティンガム・フォレスト/イングランド)
アーロン・ラムジー(ニース/フランス)
コナー・ロバーツ(バーンリー/イングランド)
イーサン・アンパドゥ(スペツィア/イタリア)
FW
ハリー・ウィルソン(フラム/イングランド)
ガレス・ベイル(ロサンゼルスFC/アメリカ)
キーファー・ムーア(ボーンマス/イングランド)
交代出場
57分 ロバーツ→ブレナン・ジョンソン(ノッティンガム・フォレスト/イングランド)
57分 ハリー・ウィルソン→ダニエル・ジェームズ(フラム/イングランド)
77分 イーサン・アンパドゥ→ジョー・アレン(スウォンジー)
87分 アーロン・ラムジー→ダニー・ウォード(レスター/イングランド)
イラン
フォーメーション : [4-3-3]
監督 : カルロス・ケイロス
GK
ホセイン・ホセイニ(エステグラル)
DF
ミラド・モハマディ(アテネ/ギリシャ)
モルテザ・プーラリガンジ(ペルセポリス)
マジド・ホセイニ(カイセリスポル/トルコ)
ラミン・レザイアン(セパハン)
MF
エフサン・ハジサフィ(アテネ/ギリシャ)
サイード・エザトラヒ(ヴェイレ/デンマーク)
アフマド・ヌロラヒー(アル・アハリ/UAE)
FW
メフディ・タレミ(ポルト/ポルトガル)
アリ・ゴリザデー(シャルルロワ/ベルギー)
サルダル・アズムン(レヴァークーゼン/ドイツ)
交代出場
68分 アズムン→カリム・アンサリファルド(オモニア/キプロス)
77分 ゴリザデー→アリレザ・ジャハンバフシュ(フェイエノールト/オランダ)
77分 ハジサフィ→メフディ・トラビ(ペルセポリス)
77分 ヌロラヒー→ルズベー・チェシミ(エステグラル)
83分 エザトラヒ→アリ・カリミ(カイセリスポル/トルコ)