日本サッカー界が、長く待ち望んだ瞬間だった。6月10日のガーナ代表戦(キリンカップサッカー準決勝)で73分、久保建英が三笘薫からのクロスに左足で合わせてゴールネットを揺らしたのだ。
2019年6月のエルサルバドル戦で日本代表デビューした久保だが、約3年間でゴールもアシストもゼロ。4試合が組まれている今回の6月シリーズは、2日のパラグアイ代表戦は途中出場したものの存在感を放てず、6日のブラジル代表戦は出番なしに終わっていた。
しかしこのガーナ代表との試合では、インサイドハーフとして攻守に躍動。Aマッチ初ゴールまで決めて見せた。16試合でゴールやアシストという明確な結果を残せなかったことについては、本人も焦りがあったという。
「周りの選手がどんどんゴールを決めていくなか、僕はシュートがブロックされたりわずかに外れてしまったりで。なんで俺だけっていう、焦りは少しあった」
ただ、パラグアイ戦後に迎えた誕生日(6月4日)をキッカケに、メンタル面で大きな変化あったという。
「パラグアイ戦の後に誕生日があって、21歳になったからか気持ちが吹っ切れました。だから、今日も軽くプレーできました。具体的に何があったか? それは秘密です、企業秘密なんで」
心身両面で吹っ切れた久保は、6月シリーズ最後となる14日のチュニジア戦でも活躍し、カタール・ワールドカップのメンバー入りに向けてアピールできるか。要注目だ。
取材・文●白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト編集部)