日本代表のDF冨安健洋(アーセナル/イングランド)が、自身のコンディションについて言及した。
今シーズンからアーセナルに加入した冨安。自身初のプレミアリーグ挑戦となったシーズンは、加入直後にデビューを果たすと一気にファンのハートを掴み、ミケル・アルテタ監督の信頼を得て右サイドバックのレギュラーに定着した。
順調にアーセナルでのキャリアをスタートさせた冨安だったが、シーズン途中にふくらはぎを負傷。リハビリ中に逆のふくらはぎも傷めたことで3カ月という長期離脱。シーズン終盤に復帰したが、今度はハムストリングを負傷し、プレミアリーグで21試合1アシストに終わっていた。
その影響もあり、日本代表の活動も不参加が続き、昨年11月以来の参加に。その冨安は別メニュー調整が続きながらも、ここまでチームに帯同している。
オンライン取材に応じた冨安は現在の状態について「1月、3月と代表に来れず、万全ではないですが、ここに来れてみんなと過ごす時間は充実したものが送れていると思います」とコメント。ケガについては「1月と2月はふくらはぎで、今回はハムストリングのケガですが、ふくらはぎは苦しみました。何をしたら良いのかわからないので、かなりしんどかったです」と、回復までに時間を要した理由を明かした。
ただ「ハムストリングはケガしましたが、違う場所をケガしたのは使うところが変わって、体の使い方が良い方向に向かっているのかなとポジティブに考えています」とし、自身のプレー中の変化が要因だと考えているようだ。
チュニジア代表戦が残っている中、試合出場に関しては「森保さんの判断ですし、僕は昨日もトレーニングをして、あと2日で準備をするだけです」と、準備を続けていくと発言するにとどめた。
その中で、自身が今のチームにもたらしたいものを問われると「レベルの高い選手が揃っていますし、ハッキリとこれが足りないというものは言える立場でもないです」とコメント。それでも「見つけるのが難しいぐらいではありますが、W杯ではドイツとスペインと同じ組ですし、今やっている相手、アジアと比べても数段違うので、普段プレミアでやっている経験値をチームに還元できればと思います」と、日頃経験しているものを還元したいと意気込んだ。
出場するかどうかわからない中で、チームを離脱しなかった理由を問われた冨安は「1月、3月に活動に参加できていなかったので、みんなと一緒に時間を過ごしたり、ミーティング、監督、スタッフとコミュニケーションを含めて、離脱しなかったです」とコメント。「11月のW杯は事前のキャンプも長くできないので、今回は長い時間取れるということで、離脱せずに最後までいさせてもらいました」と、チーム内でのコミュニケーションやイメージ共有のために帯同していると理由を語った。
その中で良かった点については「11月ぶりの活動ですし、ミーティングに入って、日本代表のベースというのを改めて把握することができています」とし、「選手同士で細かいサッカーの話ができていることはポジティブですし、実際に会って話さないといけないので、そこは一番ポジティブな面かなと思っています」と、選手たちとしっかりと共有できていることが大きかったとした。
改めてケガもありながら過ごしたプレミアリーグの1年目を振り返った冨安。「シンプルに1シーズン通してプレーできる状態でなかったということは、1人のサッカー選手としてまだまだやらなければいけないと思います」と、やはり最後まで戦い切れなかったことに物足りなさを感じている様子だ。
その点については「常に100%、120%の力でやっているところを80%ぐらいの力で」と語り、「手を抜くわけではないですが、うまくやるというか。他の選手を見ていると最後まで足が攣らなかったり、インテンシティを高く保ってやり切っている選手ばかりです」と、常に全力でプレーすることを避けなければいけないとした。
そのために必要なことについては「100%の力が高いレベルにないとできないことなので、100%を高い位置まで引き上げて、80%ぐらいの力で。手を抜くという意味ではなく、ケガを防ぐという意味でもそうなっていかなければいけないです」とし、自身の能力をもっと引き上げて、80%でも対応できるように成長したいと意気込んだ。