UEFAネーションズリーグ(UNL)のリーグAグループ3第4節、イングランド代表vsハンガリー代表が14日に行われ、アウェイのハンガリーが0-4で圧勝した。

前節、イタリア代表とゴールレスドローに終わり、ここまで2分け1敗と未勝利が続くイングランド。今大会初勝利を目指したホームゲームではGKラムズデール、リース・ジェームズを除く先発9人を変更。ケインやサカ、ボーウェン、ベリンガム、ウォーカーらが復帰した。

一方、ドイツ代表相手に善戦を見せ、1-1のドローで前節を終えたハンガリー。この一戦ではGKをディブスに入れ替えたものの、それ以外は大きくメンバーを入れ替えず、ショボスライやアダム・サライ、オルバンらが継続起用となった。

立ち上がりからイングランドがボールを握って押し込む展開が続く。12分には右CKからボーウェンのクロスをストーンズが頭で合わせるが、これは惜しくもGK正面。

一方、ここまでの3試合同様に自陣に堅固な守備ブロックを築き、カウンターからチャンスを窺うハンガリーは、ファーストチャンスを生かしてゴールをこじ開ける。

16分、相手陣内左サイドで得たFKの場面でゴール前で競ったこぼれ球がボックス左でフリーのロランド・サライの足元にこぼれると、すかさず右足のシュート。GKラムズデールの手をはじいたボールがゴールネットを揺らした。

前回対戦同様に先手を奪われたイングランドは、前半の内に追いつこうと、ここから攻撃のギアを上げていく。だが、3バックに徹底監視に遭う中央のケインへなかなか良い形でボールが入らず、外回りの攻撃を強いられる。

それでも、サイドを起点に幾度か際どいクロスが上がり、サカのクロスがあわや相手のオウンゴールを誘う場面も。さらに、ケインに収まった際には良い形の攻めも見られたが、直近3試合で流れの中から無得点のチームは最後のところで精度を欠いた。

結局、1点ビハインドで試合を折り返したホームチームはボーウェンを下げてスターリングをハーフタイム明けに投入。さらに、[4-3-3]からリース・ジェームズ、サカをウイングバックに置く[3-4-2-1]に並びを変えて変化を加える。

目先を変えたことで、決定機には至らないものの、前半に比べて攻撃に動きが出てくる。さらに、ギャラガー、ベリンガムを下げてマウント、フォーデンと主力を続けてピッチへ送り込む。

しかし、後半も先にゴールを奪ったのはアウェイチーム。70分、ハンガリーはハーフウェイライン付近の右サイドのスローインの流れから浮き球のボールを入れると、胸トラップしたフィリップスにプレッシャーをかけた投入直後のマルティン・アダムがボールを奪ってボックス左にフリーで走り込むロランド・サライにラストパス。これを背番号20が冷静に流し込んだ。

ミスから痛恨の2失点目を喫したホームチームはすぐさま反撃。77分にはボックス手前左でマウントが入れた正確なクロスをケインが頭で合わすが、これはクロスバーに阻まれる。

すると、この決定機を逸した直後の80分にはハンガリーに決定的な3点目が決まる。カウンターから右サイドのアダム・ナジが上げたクロスを、ゴール前のネゴがヘディングシュート。DFストーンズがブロックしたこぼれをマルティン・アダムが丁寧にマイナスに落とすと、ジョルト・ナジが左足を一閃。低い弾道の強烈なシュートがゴール左下隅を射抜いた。

これで敗色濃厚のイングランドは失点直後にも、不可解な判定でストーンズが2枚目のカードをもらってしまい退場に。その後、89分には相手のカウンターからアダム・ナジのスルーパスに抜け出したガズダグに鮮やかなチップキックでトドメの4点目を献上。モリニュー・スタジアムに集まったホームサポーターの大ブーイングを浴びた中、屈辱的な惨敗となった。

この結果、対イングランド2連勝のハンガリーはグループ首位に浮上。一方、敗れたイングランドは4戦未勝利でGS敗退が濃厚に。また、その低調なパフォーマンスからカタール・ワールドカップ前にサウスゲイト監督のクビが飛ぶ可能性も出てきた。