東京ヴェルディは3日、ジル・ヴィセンテ(ポルトガル1部)に期限付き移籍していたMF藤本寛也について、同クラブに完全移籍で加入することを発表した。ジル・ヴィセンテの公式SNSによると、契約期間は2025年6月30日までの3年間となる模様だ。

 現在23歳の藤本は、東京Vの育成組織出身。2018年にトップチーム昇格を果たし、公式戦通算50試合に出場した。各年代の日本代表にも選ばれ、2019年夏にはFIFA U-20ワールドカップポーランド2019にも出場した。

 2020年8月5日に1年間の期限付き移籍でジル・ヴィセンテに加入。1年目の2020-21シーズンは公式戦31試合の出場で1ゴール3アシストを記録し、昨年夏に期限付き移籍期間が1年延長された。

 2年目の21-22シーズンは公式戦35試合に出場し、3ゴール3アシストを記録。リーグ戦での5位フィニッシュに貢献し、ジル・ヴィセンテは22-23シーズンのヨーロッパカンファレンスリーグ予選3回戦の出場権を獲得した。

 藤本は発表に際し、東京Vのクラブ公式サイトを通じて次のようにコメントしている。

「完全移籍することになりました。まずは長い間本当にありがとうございました。僕は小学6年生の時にジュニアに入ってから約9年半、東京ヴェルディで過ごしてきました。ヴェルディに入る前、セレクションを受け合格の連絡をもらいましたが、当時山梨にいたということもあり、入るかどうか、通うかどうか迷っていました。その時に背中を押してくれた両親、クラブの関係者の皆さんがいたからこそヴェルディでサッカーすることができ、成長させてもらい今の自分があると思っています。これ以上の選択はなかったなと思います」

「あっという間に時間は過ぎましたが、振り返ってみると、子供の時の自分が想像できなかった過程を今まで歩んできていると思います。その中で自分はたくさんの人達と出会い、その人達のサポート、助けがあって現在があると思ってます。助けてもらってばっかりの自分が弱いと思うし、今度は自分が与える側になりたいです。たくさんの方々に本当に感謝しています」

「ヨーロッパでプレーし2年が経ちますが、行かなきゃ分からなかったこと感じられないものがあると思います。自分より高い基準が自分の周りの環境にあり、それに追いつくようにし、色々なことを得られていると思います。もっと上のものをを得られるようにしたいですし、またまだ上があると思うと楽しみな自分がいます。今回の移籍でヴェルディを離れることになりますが、ジュニアに入った時から見ていた『ヴェルディから世界へ』という言葉を自分が体現できてることはとても嬉しいです。次は自分が、子供達の目標となれるように頑張っていきたいです」

「最後になりますがヴェルディに入ることができ、そしてヴェルディで過ごすことができ、とても幸せでした。改めて自分に携わってくれた皆様、本当にありがとうございました。好きな場所を離れるのは寂しいですが、覚悟、責任を持って頑張ってきます。本当にありがとうございました」

【動画】ジル・ヴィセンテが藤本の完全移籍加入を発表