今大会も3つ組まれているアジアVSアフリカのカード
前回のロシアW杯はアフリカ勢にとって屈辱的な大会となってしまった。何と1チームもグループステージを突破できなかったのだ。
ワールドカップではアジア勢が最弱のように捉えられるが、前回大会はアジア勢がアフリカ勢を上回る結果を残したと言っていい。身体能力の高さから強敵と警戒されがちだが、国際舞台でアフリカ勢は思ったよりも結果が出ない。
ロシア大会ではモロッコ代表がイラン代表に0-1で敗れ、モハメド・サラー擁するエジプト代表はサウジアラビア代表に1-2で敗れた。タレント軍団セネガル代表は日本代表相手にハイパフォーマンスは見せたものの、2-2と勝ち切れなかった。アフリカ勢の勝利数はナイジェリア、チュニジア、セネガルが1勝ずつ挙げた計3勝のみで、エジプトとモロッコは0勝で大会を後にしている。
では、今年のカタール大会はどうなるのか。アフリカからはセネガル、チュニジア、モロッコ、カメルーン、ガーナの5チームが出場するが、仏『Football365』にて元コートジボワール代表MFヤヤ・トゥレがグループステージ突破の期待をかけたのはA組のセネガルのみだ。
セネガルは開催国カタール、エクアドル、オランダと同じグループに入っており、ヤヤ・トゥレはオランダの実力がNo.1と分析。ただ、セネガルはそれに続けると期待をかける。サディオ・マネを筆頭に欧州で活躍するタレントが揃っており、セネガルが決勝トーナメントに進めなければ2大会続けてのアフリカ勢全滅もあり得る。
グループDのチュニジアは前回王者フランス、EURO2020ベスト4のデンマーク、アジアよりオーストラリアと同居しており、明らかに2強2弱だ。フランスとデンマークの実力が上で、普通に考えれば両チームが突破するだろう。
グループFのモロッコは前回準優勝クロアチア、ダークホース候補のカナダ、ベルギーと同居しており、ヤヤ・トゥレは最も読めないグループで何でも起こり得ると印象を口にしている。確かに今大会で最も読みづらい死の組と言ってよく、どのチームにも突破の可能性がある。
グループGに入るカメルーンはブラジル、セルビア、スイスを相手にすることになり、厳しいだろう。ブラジルはもちろん、セルビアとスイスも欧州予選でそれぞれポルトガルとイタリアを抑えて首位通過してきた実力国だ。カメルーンが突破すればかなりのサプライズと言える。
グループHのガーナはポルトガル、ウルグアイ、韓国と同居しており、タレントと経験値ではポルトガルとウルグアイがリードする。韓国はFWソン・フンミン次第だろう。
こう見ると、やはりセネガル以外のアフリカ勢は厳しい戦いになると予想される。セネガルも開催国で不気味なカタール、南米予選を突破してきたエクアドルを相手にするため、こちらも楽ではない。2大会連続のアフリカ勢全滅も十分にあり得る話だ。
今大会ではカタールVSセネガル、オーストラリアVSチュニジア、韓国VSガーナと、グループステージで3つのアフリカ勢VSアジア勢の戦いがある。サッカー界の勢力図を考えるうえで、この3つのバトルも興味深い。
アジアも着実に力はつけているはずで、今大会もアフリカ勢に勝てれば世界の視線も変わってくるのではないか。アジア勢とアフリカ勢は何チーム決勝トーナメントへ送り込めるのか、このあたりも注目ポイントだ。