6月は招集されなかった

ワールドカップ・カタール大会前の貴重な日本代表の試合となるE-1選手権。海外組は不在であり、アジア最終予選を戦った選手はほとんど選ばれていないが、国内組の中で日本代表にこれまで縁のなかった選手を試す絶好の機会である。可能性は低いが、そこからカタール行きの切符を掴むことも考えられ、国内組の選手は気合が入っているはずだ。

このE-1選手権ではW杯を経験している国内組の選手は招集外となっている。大迫勇也、酒井宏樹、長友佑都の3人だ。森保一監督としてはすでに彼らが日本代表に何をもたらすかを分かっており、その枠を新たな選手に与えたいと考えたのだろう。

気になるのはこの3人がカタール大会に出場できるかどうかだ。長友は6月のテストゲームでは左サイドバックだけでなく、右サイドバックでもプレイするなど新境地を開いており、新たな可能性を感じさせてくれた。登録メンバーが23人から26人になったことは長友にとって追い風であり、両サイドバックのバックアッパーとしてカタール行きを掴める可能性は高い。

酒井は怪我での離脱が続いており、代表での活動からも離れている。が、浦和レッズでは現在2試合連続でスタメンを任されており、直近のFC東京戦では高いパフォーマンスを披露している。9月の代表戦次第となるが、酒井も長友同様にカタール行きは堅いといえる。

だが、大迫はどうなのか。6月のテストゲームではコンディション不良として招集外になっており、今回のE-1選手権でも選ばれていない。所属元のヴィッセル神戸でも出場機会を確保できておらず、今季はまだ3ゴールしか挙げていない。E-1選手権のメンバーとして招集された武藤嘉紀がファーストチョイスであり、彼の牙城を崩せていない。

代表では新たなライバルとして浅野拓磨、上田綺世、古橋亨梧、前田大然が存在感を示している。まだ彼らの中から絶対的な存在は出てきていないが、前述した4人を押しのけて大迫を招集する理由が経験くらいしかない。さらにE-1選手権では武藤をはじめ細谷真大、町野修斗と新世代ストライカーが呼ばれており、さらに大迫の立場が苦しくなる。

アジア最終予選では計8試合で先発となった大迫。しかしその期間で地位を確立できたわけではなく、今後ライバルとなる新たなストライカーの台頭を許してしまっている。森保監督からの信頼は未だ厚いといえるが、2022Jリーグ後半戦での活躍が9月の代表に招集されるかを決めることになるだろう。