世界屈指の9番を失ったバイエルン

チームのエースFWロベルト・レヴァンドフスキが4500万ユーロ(63億円)+ボーナス500万ユーロ(7億円)の移籍金で、バルセロナへと移籍してしまったバイエルン・ミュンヘン。彼の代役として、バイエルンはエスパニョールのFWラウール・デ・トマスに目をつけているようだ。

今夏のバイエルンはレヴァンドフスキが退団する以前に、リヴァプールからFWサディオ・マネを獲得。しかし、主力として計算できるCFタイプの選手がおらず、マンチェスター・ユナイテッドのFWクリスティアーノ・ロナウドが代役候補として噂にあがったこともあった。

先日行われたプレシーズンマッチ、DCユナイテッド戦では、2トップを用いるなどして6ゴールの快勝となったものの、続くマンチェスター・シティ戦はノーゴールで敗戦。やはり戦術の幅を広げるためにも、一線級のストライカーを1人は確保しておきたいところ。

スペイン『Diari ARA』によれば、バイエルンはレヴァンドフスキ売却時に得た移籍金を、デ・トマスの獲得にほぼ全額投資するつもりのよう。エスパニョールとデ・トマスの契約はあと4年残っており、エスパニョールは数ヶ月前から、7500万ユーロの契約解除条項を下回る金額では放出しないと主張してきたようだが、実際のところ、4000万ユーロ程度のオファーが届けば売却を考慮する可能性があるという。

デ・トマスはレアル・マドリードの下部組織出身の選手で、数々のクラブを渡り歩いてきた選手。2020年1月にベンフィカからエスパニョールへ移籍すると、いきなりクラブの2部降格を味わったものの、続く2020-21シーズンはスペイン2部得点王に輝く23ゴールを記録。チームを1部復帰へと導いた。

そして、再度ラ・リーガでプレイすることになったデ・トマスは、昨季リーグ戦17ゴールをゲット。レアルのFWカリム・ベンゼマに次ぐ、得点ランキング2位タイに君臨した。

この活躍はスペイン代表のルイス・エンリケ監督の目にも留まり、昨年11月にはスペイン代表デビュー。6月に行われたネーションズリーグでも、ポルトガル戦やチェコ戦に出場している。

少年時代から所属していたレアルでは、トップチームで活躍することができなかったが、さまざまな経験を積んできた今、27歳という年齢でバイエルンに挑戦できるのは、デ・トマス本人にとっても良い話なのではないだろうか。11月に開催されるカタールW杯のことを考えるとリスクも高いが、バイエルンというビッグクラブで印象的なパフォーマンスを見せることができれば、むしろスペイン代表で出番を増やすチャンスともなるかもしれない。