両チームから期待されている
15日のアウェイ、アルメリア戦で22-23シーズンの戦いが始まるレアル・マドリード。昨季はセルヒオ・ラモス、ラファエル・ヴァランを手放したことから難しいシーズンになるといわれていたが、最終的にはリーグ戦、CLと2つのコンペティションを制した。
昨季は異常ともいえる勝負強さを誇った。前線ではカリム・ベンゼマとヴィニシウス・ジュニオールの2人のコンビネーションでどのチームからもゴールを奪うことができ、中盤ではルカ・モドリッチをはじめとするベテランがチームを整える。守護神ティボー・クルトワは常に当たっており、隙のないチームであった。
わずかな不安要素があるとすればベンゼマ不在時のバリエーションの少なさだ。そもそも怪我が少ない選手というのもあるが、チーム内でベンゼマ不在時を想定できておらず、モドリッチの偽9番を試すなど工夫を凝らしたが、思うようにいっていない。そこでカルロ・アンチェロッティ監督はプレシーズンマッチからエデン・アザールの偽9番をテストするなど新たな選択肢を増やそうとしている。
アザールは今季が勝負の年だ。2019年にチェルシーから総額1億1500万ユーロの移籍金でやってきたが、怪我の影響もあってイングランド時代の輝きを見せられていない。昨季のリーグ戦の先発はわずか7試合であり、リーグ優勝、CL制覇の中心にベルギー代表MFの姿はなかった。
復活が期待されているのはクラブだけでなく、代表でもそうだ。ベルギー代表はアザール、ロメル・ルカク、ケビン・デ・ブライネの3人が中心選手としてチームをけん引しており、2018年のワールドカップ・ロシア大会では3位となった。しかし現状トップクラスと呼べるのはデ・ブライネくらいであり、アザールとルカクは評価が下がってしまっている。
「アザールは待つしかない」
ベルギーメディア『Voetbalbelgie』にこう語るのは代表監督のロベルト・マルティネスだ。同監督はアザールがレアルで“自分らしさを取り戻す”ことを期待しており、今季は偽9番の導入もあってチャンスはあるとしている。実際にリーグ戦と並行してCLを戦うことになっており、試合数自体は多い。アザール本人も「ここで主役になりたい」と西『MARCA』に語っており、今季はクラブ、代表の両チームがアザールの復活を期待している。