スタートダッシュに成功した
ワールドカップ・カタール大会前に開催されるテストゲームまで約1カ月を切った。9月24日にアメリカ代表、28日にエクアドル代表とドイツのデュッセルドルフで戦うことになっている。
おそらくここに招集されるメンバーが高い確率で本大会にも選ばれるだろう。もちろん怪我やコンディション不良での招集外も考慮する必要はあるが、ある程度のメンバーは森保一監督の中で決まっているはずだ。
ここまでの欧州新シーズンではボルシアMGの板倉滉が素晴らしい活躍を披露している。シャルケから移籍して間もないが、リーグ戦では3試合で先発フル出場している。その活躍ぶりからドイツ『Kicker』が独自に選ぶベストイレブンに第2節、第3節時にセンターバックとして選出されている。冨安健洋の怪我の状態を考えればこの板倉がCBの1番手か。
アタッカーでいえばレアル・ソシエダへ移籍した久保建英が2トップの一角という新境地を開いた。久保が得意とするバイタルエリアでのタスクが与えられており、久保が活躍できる環境をラ・レアルの指揮官であるイマノル・アルグアシル監督が作り出した。森保ジャパンで2トップは採用していないが、トップ下を置く[4-2-3-1]を使う試合もあり、ボールを握れるコスタリカ戦は久保の力が必要になる。
フランクフルトの鎌田大地はボランチでの起用と久保同様に新境地を開拓しているが、それでも調子を崩すことなく現在2試合連続ゴール中だ。しかもその1ゴールは直接フリーキックを沈めており、調子の良さがうかがえる。アジア最終予選では思うように出番を得られなかったが、EL制覇とクラブで結果を残し、6月のテストゲームでは中盤で起用された。鎌田のキープ力はカウンターを成功させる上で必須の武器であり、今後も重宝されるだろう。
プレミアリーグ初挑戦の三笘薫は上々の滑り出しを見せた。ニューカッスル戦でプレミアデビューとなり、いきなりイングランド代表のキーラン・トリッピアーと対峙することになったが、自慢のドリブルで圧倒した。そのインパクトは素晴らしく、早くもサポーターの心を掴んでいる。モナコでは南野拓実がスタートダッシュに失敗しており、三笘が左ウイングで1番手となるか。
チームの核となる板倉、久保、鎌田、三笘が新シーズンは好調だ。今回のW杯はシーズン後ではなく、シーズン中の開催であり、開幕戦までもう3カ月を切っている。今好調な選手が重要であり、核となる4人のコンディションが良いサムライブルーはまず9月のアメリカ戦、エクアドル戦で2勝を掴みたい。