【プレミアリーグ】ブライトン5-2レスター(日本時間9月4日/アメックス・スタジアム)
舞台は“スター”のために用意されていた──。すでに勝負は決していた最終盤で迎えたFKの場面、固唾を呑んで見守るスタジアムの静寂を切り裂いたスーパーゴール。解説が「斜めに落ちた。ストンと落ちた」と興奮気味に声を上げると、「やべぇ」「すごすぎ!」「これぞプレミア」「ワールドクラス」と視聴者も続いて大熱狂した。
ホームのブライトンが4-2とリードして迎えた後半アディショナルタイム95分、さらにダメ押しゴールを狙える絶好のチャンスを手にした。ゴール正面の位置からのFKだ。
キッカーは、23歳のアルゼンチン代表・マクアリスター。ブライトンで若くして10番を背負う男はボールを置き、斜め左後方へ小さな歩幅で5歩、下がる。ABEMAの視聴者が後に「決める雰囲気がしていた」とコメントしたように、風格がある。スタンドは、ホームのサポーターが大合唱で盛り立てていたが、次の瞬間、一斉に静まり返る。わずか数秒、スタジアムは静寂に包まれていた……次の瞬間、小さなステップから右足を一閃──。
歓声が先か、ゴールが先か。マクアリスターが蹴り込んだボールは、残像を描きながらゴール左上隅へと突き刺さった。実況・若月弘一郎氏が「マクアリスター!」と叫ぶと、コメント欄でも視聴者が「やべぇ、あの静寂からよーく決めるな」「完璧だ!」「キック精度えぐいな」「これぞ10番」「完全勝利」と、次々に興奮と感嘆の声を綴った。
解説・松原良香氏が「これぞプレミアリーグのゴール」と称えた、美しくかつ、スーパーな一撃だった。松原氏が「ボールスピードもバッチリで、斜めに落ちる感じ。ジャンプしている壁を超えて、そこからストンと落ちた。このクオリティがこの時間で出るのはさすがですね」と続けて称賛したように、まさに“スターの資質”を備えた世界基準のFKだった。
実は、マクアリスターはこの試合で“幻のゴラッソ”を決めていた。後半開始わずか46秒で放ったミドルシュートは、松原氏がそこでも「これぞプレミアなゴール」と絶賛し、コメント欄も「年間最優秀ゴール」「これを止められるGKはいない」と興奮していた会心の一撃だったが、VAR判定の結果、味方のオフサイドが明らかになりノーゴールとなっていた。だからこそ、FKで“超絶ゴール”を再現したマクアリスターのスター性が際立った。
マクアリスターはこの日、PKも決めていただけに「実質ハットトリック」のコメントもあったが、まさに主役級の働きを見せてチームの勝利をけん引。残念ながら日本代表・三笘薫の出番はなかったものの、ブライトンは6試合で4勝1分1敗と好調を維持している。
(ABEMA/プレミアリーグ)