VfBシュツットガルト所属の日本代表MF遠藤航(29)は3日、日本代表DF吉田麻也(34)擁するシャルケとの一戦でフル出場。今季もキャプテンとしてチームをけん引する中、ドイツの公共放送局『南西ドイツ放送』が同選手のクオリティや移籍市場で注目されない理由を掘り下げている。

 遠藤航は2019年8月、シント=トロイデンVVからVfBシュツットガルトへ移籍。中盤センターでレギュラーに定着すると、昨季からキャプテンとしてチームをけん引。ブンデスリーガでほぼ全試合で先発出場したほか、昨季最終戦では後半アディショナルタイムの劇的ゴールでチームをブンデスリーガ残留に導いていた。

 また今季もここまで公式戦全6試合で、キャプテンマークを巻いてフル出場。先月13日のブンデスリーガ第2節・ベルダー・ブレーメン戦では今季初アシストをマークしている。

 そんな中、『南西ドイツ放送』は「ワタル・エンドウ、VfBシュツットガルトの静かなるリーダー」と題して、遠藤航に関する特集記事を掲載。「エンドウの最大の長所は、ピッチの中でも外でも謙虚であることだ。日本人は人生において必要不可欠なものに焦点を当てる」と同選手の性格に触れている。

 またVfBシュツットガルトのペッレグリーノ・マタラッツォ監督の遠藤航に対する評価も紹介。これによると指揮官は同選手について「ワタルという選手の性格については、本が一冊書けるほどだ」

 「彼はみんなにとってのお手本である。彼がより多くの責任を負い、ピッチ上やドレッシングルームでより多くのコミュニケーションを取りたがっていることに私はもう気付いているんだ」と語ったという。

 さらに『南西ドイツ放送』は「エンドウは間違いなく、VfBシュトゥットガルトの近年の歴史の中で最高のプレーメーカーのひとりだ。このクラブのユニフォームを着始めた頃は、誰も彼の能力を信じていなかっただろう。今もなお、彼は国際的なビジネスにおいて、かなりのプレーバリューにもかかわらず、かなり小さな名前にとどまっている」と、遠藤航が欧州で過小評価されている現状をリポート。

 その理由について「サーシャ・カライジッチやボルナ・ソサといったチームメイトが、過去の移籍期間中にヨーロッパのトップクラブに注目されたのに対し、エンドウはどちらかといえば静かな存在だ」

 「そのことはおそらく、ファンやチームメイト、そしてマタラッツォ監督から好評を得ている要因だ。彼の飾らない、地に足の着いた態度のおかげだろう」と、同選手の性格によるものだと主張している。