明治安田生命J1リーグ・柏レイソルは現在ブラジル1部ゴイアスへレンタル移籍中のブラジル人FWペドロ・ハウル(25)について、今季終了後に完全移籍での放出を目指す方針を固めたほか、売却額も設定しているようだ。6日、ブラジルメディア『TORCEDORES』が伝えている。

 ペドロ・ハウルは柏レイソルで構想外となり、今年1月末にゴイアスへレンタル移籍。今季ブラジル1部リーグでここまで25試合中22試合に先発出場し、14ゴールをマーク。今月6日のサントス戦で2ゴールを挙げたことにより、ブラジル1部リーグの得点ランキングでトップに躍り出た。

 また先月末には、ブラジル代表のチッチ監督が「ペドロ・ハウルはゴイアスでコンスタントにプレーしているし、もう2桁ゴールをあげている。他のクラブよりもはるかに投資額の少ないゴイアスだからこそ、ゴイアスでクレイジーなゴールを決める選手は評価される。ペドロ・ハウルは“アップデートされたフレッジ”なんだ」と絶賛。

 これに対してペドロ・ハウル本人が「(ブラジル代表でのプレーは)サッカーを始めたら、誰でも夢見るものだよ。僕も子供のころはテレビでブラジル代表の試合を見ていたし、いつも代表入りやワールドカップ出場を目指していた。僕もいつか、努力を重ねてこの大きな夢を叶えたいね」と、FIFAワールドカップ・カタール大会出場への思いを語り、ブラジル国内で話題を呼んでいる。

 そんなペドロ・ハウルについてはブラジルメディア『Esmeraldino』は今年7月上旬、名古屋グランパスが同選手獲得にむけて柏レイソルに移籍金250万ドル(約3億4000万円)のオファーを提示したと報道。しかし、選手本人は代理人を通じてゴイアス幹部に今夏残留の意思を伝えたという。

 また先月にはリーグアン(フランス1部)オセールやセリエA(イタリア1部)クレモネーゼ、ブラジル1部アトレチコ・ミネイロからの関心が伝えられていた。ただ本人はブラジル国内メディアのインタビューで、欧州2クラブからのオファーを拒否したことを明かしている。

 『TORCEDORES』の報道によると、ゴイアスはペドロ・ハウルの今冬残留を望んでいるものの、同選手の代理人はブラジル国内でゴイアスよりも規模の大きなクラブへ移籍させる方向で検討しているとのこと。移籍先候補にはコリンチャンスやグレミオ、CRフラメンゴなどが挙がっているという。

 ただ一方で柏レイソルは完全移籍での放出を望んでおり、移籍金を200万ドル(約2億8600万円)に設定している模様。ブラジル国内で200万ドルを支払うことが可能なクラブは限られると考えらえる。

 なお柏レイソルとゴイアスの取引には「ペドロ・ハウルがゴイアスでプレーしている間に他クラブからオファーが届いた場合、ゴイアスが移籍金の10%を受け取る」という条項が盛り込まれているとのこと。柏レイソルはペドロ・ハウル獲得でボタフォゴFRに移籍金1070万レアル(約2億3000万円)を支払ったため、高額での同選手売却を望んでいるようだ。