韓国はグループを抜け出せるか

おそらく現在アジアで最もホットなアタッカーはトッテナムに所属する韓国代表FWソン・フンミンだろう。昨季プレミアリーグで得点王まで獲得したソン・フンミンはアジア歴代最高アタッカーと言っていいレベルにあり、今年のワールドカップ・カタール大会でも注目されるはずだ。

しかし、カタール大会本番を前にソン・フンミンの調子が上がってこない。トッテナムではなかなか今季初ゴールが決まらず、最近は毎試合のように無得点継続が話題となっている。得点王を獲得したがゆえのプレッシャーもあるのだろうが、ソン・フンミンは長いトンネルで苦労している。

これに注目したのが米『ESPN』だ。ソン・フンミンのフォームがワールドカップを戦う韓国代表にも悪い影響をもたらすのではないかと気にかけており、韓国代表にソン・フンミンに頼らないプランBがあるかどうかに注目している。

もっとも韓国代表でのソン・フンミンはチャンスメイカー役に回る機会が多く、トッテナムでプレイしている時ほどのインパクトは残せていない。これはアジアの戦いで相手が自陣深くに引いて守ってくることが影響しているのだろうが、ワールドカップでは韓国も中堅より下のチームとなる。韓国側が粘り強く守ってカウンターアタックを仕掛ける展開も増えるはずで、やはりその時はソン・フンミンの能力を最大限に活かしたい。

他に信頼できる点取り屋はギリシャのオリンピアコスへ向かったFWファン・ウィジョ、ウォルバーハンプトンFWファン・ヒチャンといったところだが、ソン・フンミンはカタール大会本番までに最高の状態へ仕上げていけるのか。

韓国はグループHでポルトガル、ガーナ、ウルグアイと同居しており、中でもポルトガルは優勝候補の一角と考えていい。かなり厳しいグループと言えるが、ソン・フンミンはまだワールドカップの決勝トーナメントを一度も経験していない。アジア歴代最高級アタッカーがこのままでは終われないはずで、プレミア得点王のチャレンジには世界から関心が集まるだろう。