アーセナル所属の日本代表DF冨安健洋(23)は、右サイドバックのレギュラーをイングランド代表DFベン・ホワイト(24)に明け渡している。しかしUEFAヨーロッパリーグ(EL)グループステージ開幕戦での活躍を受けて、現地識者の間で冨安健洋のレギュラー再定着を望む声が上がっているようだ。13日、英メディア『フットボール・インサイダー』が伝えている。

 冨安健洋は昨年8月にボローニャからアーセナルへ完全移籍。プレミアリーグ挑戦1年目の昨季から右サイドバックでレギュラーに定着していたが、今年1月以降は右ふくらはぎなど複数箇所を負傷により戦線離脱を余儀なくされていた。

 そして今季はコンディション不良により開幕から出遅れると、プレミアリーグ第2節・レスター戦以降はリーグ戦全試合で途中出場。センターバックが本職であるベン・ホワイトに右サイドバックのレギュラーを奪われている。

 しかし今月8日のELグループステージ第1節・FCチューリッヒ戦で今季初めてフル出場。守備面で安定感抜群のパフォーマンスを発揮して無失点での勝利に貢献すると、現地メディアから高評価を与えられている。

 そんな中、かつてリーズ・ユナイテッドなど複数クラブでプレーし、現在サッカー解説者のノエル・ウィーラン氏が『フットボール・インサイダー』のインタビューに対応。

 アーセナルの右サイドバック問題について「ホワイトが複数のポジションをこなせる、非常に才能のある選手であることは間違いない。だが、本職がサイドバックである選手には勝てないと思う」

 「トミヤスはアーセナルに来てから一度も失敗したことがない。彼は最も堅実で安定したパフォーマンスを発揮している選手のひとりだ」

 「チーム全体のバランスを考えるなら、自然なオプションに目を向けなければならない。ベストプレーヤーだからといって、ただピッチに立たせればいいというものではない」

 「(ミケル・)アルテタ監督であれば、強い決断をしなければならない。ホワイトがベンチに座ることでチーム全体のバランスが良くなるのならば、そうしなければならないだろう」とコメント。右サイドバックを本職としないホワイトの先発起用に否定的な見解を示すとともに、冨安健洋の先発起用を推奨した。

 なおアーセナルはエリザベス女王崩御にともない、先週末に予定されていたエバートン戦が延期に。くわえて今月15日のELグループステージ第2節・PSVアイントホーフェン戦もエリザベス女王の国葬がロンドン市内で行われることを理由に延期となっている。

 そのためアーセナルの次戦は、今月18日のプレミアリーグ第8節・ブレントフォード戦となっている。代表ウィーク前に冨安健洋が今季リーグ戦初先発を果たすか注目が集まる。