代表の方では結果が出ていない

今月9日、ガーナ、チュニジアとの親善試合へ向けて発表されたブラジル代表メンバーが話題を呼んだ。ワールドカップへの調整段階とはいえ、アーセナルで絶好調のFWガブリエウ・ジェズスがメンバーから外れたのだ。

もっとも、これだけでジェズスが代表監督チッチの構想外と考えるのは早計すぎる。今はクラブでのパフォーマンスに集中してもらい、ワールドカップ本番でジェズスを招集するプランもあり得る。

しかし、英『The Sun』はジェズスがチッチの中で絶対的な存在ではなく、ワールドカップでもメンバーから漏れる可能性はあると指摘する。

採用するシステムにもよるが、今のブラジルは前線中央でネイマールやルーカス・パケタを起用するパターンもある。この2人は今回も招集されており、起用法は注目だ。

さらにレアル・マドリードで好調のロドリゴ・ゴエス、トッテナムのリシャルリソン、偽9番の役割からネイマールらを活かせるリヴァプールのロベルト・フィルミーノ、アトレティコ・マドリードのマテウス・クーニャ、国内のフラメンゴで活躍するペドロ・ギリェルミが招集されており、彼らはセンターフォワードの位置に入れる選手だ。

気になるのはペドロか。南米No.1を決めるリベルタドーレスにおいて、今季のペドロはトップとなる12ゴールを奪っている。フラメンゴにはガビゴルことガブリエウ・バルボサも所属しているが、25歳のペドロはバルボサをも呑み込む勢いだ。国内で招集待望論が出るのは自然だろう。ワールドカップ前にテストするべき大型ストライカーだ。

では、この中にジェズスは割って入れるのか。同メディアはジェズスが代表のスタメンに入る可能性は低いと見ており、序列的にはセンターフォワードのバックアッパーだ。それならば、チッチが異なるタイプのセンターフォワードを求めても不思議はない。

また、最近のジェズスは代表戦で結果が出ていない。直近の21試合で決めたゴールは1点のみで、その1点は今年6月に行われた韓国代表との親善試合だ。昨夏のコパ・アメリカ2021やカタール大会へ向けた南米予選は無得点で終えており、評価が落ちたところもある。

アーセナルでのパフォーマンスをワールドカップでも見たいところだが、セレソンの競争力はさすがだ。ジェズスでも代表に入れない可能性があり、この前線の層の厚さこそブラジルが優勝候補に挙げられる理由だ。大会本番の招集メンバーには世界中が注目することだろう。