デュッセルドルフで行われる

日本代表は23日にドイツでアメリカ代表と親善試合を戦うことになっている。ワールドカップ・カタール大会前の貴重なテストゲームであり、試すことがあればここでやっておく必要がある。

『最終ライン』
最終ラインから気になる点を挙げるとすれば、3つある。冨安健洋の状態、瀬古歩夢がどこまでやれるのか、左SBのクオリティだ。

冨安はセンターバック、右サイドバックで高い能力を持つ守備者だが、昨季の後半戦は怪我の影響で満足にプレイできなかった。新シーズンのアーセナルでは怪我なくプレイしているが、ミケル・アルテタ監督は起用に慎重になっており、リーグ戦でのプレイタイムは72分しかない。ELチューリッヒ戦では先発フル出場しており、コンディションは問題なさそうだが、90分代表戦で起用できないのであれば他のCBのパフォーマンスが重要になる。

負傷で招集外となった板倉滉に代わってやってきた瀬古はどこまでのレベルにあるのか。所属するグラスホッパーでは3バックの左や中盤で起用されており、すでにチームでは信頼を掴んでいる。強度の高い守備、両足そん色なく供給できる高精度のフィードが強みであり、板倉がW杯に間に合わなければ4人目のCBはおそらく瀬古になる。

左SBはアジア最終予選から問題を抱えており、長友佑都から中山雄太、中山から伊藤洋輝に序列が移り変わっている。これまでのパフォーマンスを見る限り伊藤が1番手だが、彼に続く選手がいないように見える。長友の守備は素晴らしいが、攻撃は不得意であり、中山はパフォーマンスの波は大きい。右SBでは酒井宏樹の後ろに山根視来が控えているように、2番手にも頼れる実力者を配置したい。

『中盤』
中盤で気になる点は配置だろう。アンカーの前にインサイドハーフ2枚を並べるのか、ダブルボランチの前にトップ下を置くのかどちらかだ。アジア最終予選ではインサイドハーフ2枚を並べたが、新シーズンの中盤の選手のパフォーマンスを見る限り、鎌田大地や久保建英とトップ下向きのチャンスメイカーが躍動している。攻撃の中心となっており、トップ下を配置する[4-2-3-1]がベストか。

ワンアンカーで臨む[4-3-3]であれば、遠藤航依存から脱出する必要がある。アジア最終予選から6月の4連戦では遠藤がこのポジションを務めていた。素晴らしいパフォーマンスでチームを支えているが、彼の推進力は一つ前のインサイドハーフで見て見たいといった意見もある。そこで代役になるのが守田英正だ。6月の4試合では負傷で守田のアンカーを試せなかったが、アメリカ戦、もしくはエクアドル戦でテストすることになるか。

『サイド』
サイドは日本の攻撃の肝であり、ここのクオリティが得点に直結する。そのためスタートからゴールを狙うのであれば、右に伊東純也、左に三笘薫が鉄板の並びになる。この2人がドリブルから違いを見せられることはすでに証明されており、最大火力は彼ら2人だ。しかし2人でW杯のグループステージ3試合を戦い抜くのは難しく、バックアッパーたちのパフォーマンスが重要になる。モナコで初ゴールを決めた南野拓実は未だ日本代表ではチグハグ感が消えないが、森保一監督は何か秘策があるのか。なければ三笘に奪われたポジションを取り返すのは相当難しくなり、ドリブルから違いを作れる相馬勇紀の存在が南野を追い詰めることに。

『ストライカー』
日本代表の点取り屋はこれといった人物がいない。セルティックの古橋亨梧、鹿島アントラーズ時代の上田綺世は素晴らしいゴールハンターだが、代表に来ると急に勢いをなくしてしまう。この現象の解決に取り組むことが最優先だが、ストライカー自体の問題というか、そこまでどうやってボールを運ぶのか明確になっていない点を改善する必要がある。それが難しいのであれば、高さのありターゲットマンとして期待できる町野修斗や招集外だが、アジア最終予選では不動のセンターフォワードだった大迫勇也を呼び戻さなくてはならない。

アメリカ戦、エクアドル戦では上記の気になるポイントが見どころとなる。瀬古や相馬、町野ら新戦力のパフォーマンスは分かりやすい見どころであり、彼らが代表にどのような影響を及ぼすのか注目だ。