不調に喘ぐ強豪国たち
ハンガリーの首位独走で大番狂わせとなっているUEFAネーションズリーグ、リーグAグループ3。W杯で優勝候補と目されるイングランド代表はここで未だ1勝もできておらず、ハンガリー、イタリアに連敗し勝点2の最下位に位置している。イタリア戦の目も当てられぬ戦いぶりは早速批判の的になり、ガレス・サウスゲイト監督には懐疑的な眼差しが向けられている。
しかし、マズイ状況にあるのはイングランドばかりではない。ホームでハンガリーに敗れた同組のドイツもだ。ハンガリー戦はハンジ・フリック体制になって以来、初の敗戦となった。それまで無敗であったといえば聞こえはよいが、ネーションズリーグでは引き分けばかり。3月に行われた親善試合のオランダ戦にも引き分けており、今年に入ってからは同じく3月の親善試合のイスラエル戦、そして6月のネーションズリーグ・イタリア戦で2勝をあげたのみにとどまる。
両者は激しいライバル関係にあり、EURO2020では55年ぶりにイングランドがドイツに勝利したことが話題にもなった。日本時間27日にはネーションズリーグで再び激突するのだが、英『Daily Mail』は「心配するな!」との見出しで、ドイツ代表もまた問題の渦中にあることを取り上げている。
同紙はハンガリーの挙げたコーナーキックからのゴールについて「正直なところ、彼らが得点したそのコーナーについては疑問だ。このレベルであのようなゴールは許されない」と指摘。ハンガリーのセットプレイが特に優れていたわけではなく、問題があるのはドイツの守備だとしている。イングランド戦ではイエローカードが累積したDFアントニオ・リュディガーが出場できないが、問題は個人ではなくもっと組織的なところにありそうだ。また、前線の決定力不足が顕著であり、5バックで固めるハンガリー相手にティモ・ヴェルナーもカイ・ハフェルツもほとんど沈黙している。
イングランドも他国の粗探しをしている状況ではないはずだが、調子の上がらないドイツを相手に光明を見いだせるのか。W杯という大舞台を控え、強豪国たちが思わぬ不調に喘いでいる。