ラストチャンスだ

アメリカ代表を圧倒し、2-0で勝利した日本代表。アメリカ代表の調子の悪さもあったが、欧州5大リーグでプレイする選手が多いチームを倒せたのは自信になったはずだ。

そんな日本代表は27日にエクアドル代表と対戦する。南米予選を4位で突破した強豪であり、モイセス・カイセド、ピエロ・インカピエをはじめとした実力ある若手が揃っている。

エクアドル戦での注目はアメリカ戦で起用されなかった選手たちだろう。今回の代表は30名の大所帯となっており、1試合で試したい選手を全員起用することはできない。

今季からモナコでプレイする南野拓実はその一人だ。アジア最終予選や6月の4連戦では左サイドで継続して起用されており、森保一監督からの信頼は厚い。しかし三笘薫や久保建英らの台頭によって代表では影を潜めている。

前述したように本来の左サイドには三笘と久保がおり、さらに今回の招集ではE-1選手権で結果を残した相馬勇紀が選ばれた。三笘と同じくドリブル突破から違いを見せられる選手であり、南野とは違った強みがある。

となれば南野はトップ下で起用されることになるだろう。輝いていたレッドブル・ザルツブルク時代は現マンチェスター・シティのアーリング・ハーランドと縦関係になるセカンドストライカーとして活躍しており、今の代表に当てはめるならトップ下だ。

本来の調子が戻らない南野だが、それでも日本代表で際立つのは決定力の高さだ。42試合で17ゴール挙げており、今回招集された中で最も代表で得点を決めている。トップ下ならバイタルエリアでプレイすることができ、彼の嗅覚が生きる。

日本代表はハイプレスを武器の一つとしており、南野はそれに参加できる献身性と賢さがある。レッドブル・ザルツブルクやリヴァプールは前線からの守備を強みとしており、そこで南野の守備力は培われた。

現状日本代表でポジションがない南野。エクアドル戦が最後のチャンスであり、存在感を示すことができなければカタール行きが難しくなってしまう。