得点力不足に陥るケースもあり得る

11月23日、日本代表はワールドカップ・カタール大会初戦でドイツ代表と激突する。ここで気になるのは、ドイツのセンターフォワードに誰が入るかだ。

ミロスラフ・クローゼ、マリオ・ゴメスといった純粋なセンターフォワードがいた時代に比べ、今のドイツはセンターフォワードが固定されていない。代表監督ハンジ・フリックの中でもまだ考えは固まっていないのではないか。

ブンデスリーガ公式が最も可能性の高い選手に挙げるのは、ライプツィヒFWティモ・ヴェルナーだ。今年のネーションズリーグでもフリックはヴェルナーに最前線を任せるケースが多く、ヴェルナーも代表では53試合で24ゴールと見事な成績を残している。

ただ、クラブの方ではチェルシーで調子を上げることが出来なかった。今夏にはライプツィヒへ復帰したが、まだベストな状態に戻ったとは言えない。以前のヴェルナーと同じ結果を求めるのは難しいかもしれない。

次なる候補となるのは、ヴォルフスブルクFWルーカス・ヌメチャだ。ヴェルナーが爆発的なスピードを武器としているのに対し、ヌメチャの方がセンターフォワード色は強いか。前線でボールを収め、2列目のトーマス・ミュラーやレロイ・サネといった選手を活かせるならばヌメチャの先発も選択肢にはなる。経験不足は気になるところだが、今季はブンデスリーガでも3ゴールを挙げるなどまずまず結果は出している。

代替案ではカイ・ハフェルツの偽9番起用や、セルジュ・ニャブリを回すプランもある。どちらも強力なオプションではあるが、ハフェルツも今季はまだ本調子となっていない印象だ。ニャブリは代表で34戦20ゴールと圧巻の成績を残しているが、フリックはワイドな位置で起用するケースが多い。ニャブリのセンターフォワード起用を試してもいいはずだが、日本戦までにテストの機会はあるだろうか。

さらに同サイトは最後の候補者としてブレーメンで今季5ゴールを挙げているニクラス・フュルクルクの名前も挙げている。188cmのサイズを持つフリュクルクは昨季2部で19ゴールと結果を出し、1部へ昇格した今季も好調を維持している。ドイツA代表でのプレイ歴はないが、センターフォワードが固定されないならばサプライズ招集も1つの手か。

初戦の日本戦へ質の高いFWが揃っているのは確かだが、センターフォワードで機能するかは別の話だ。ヴェルナーを信頼するのか、それとも大型FWや変則的な偽9番を日本戦にぶつけてくるのか。絶対的なゴールゲッターが不足している印象は否めず、ワールドカップ本番で得点力不足に陥る可能性もゼロではなさそうだ。