現地時間9月26日、ネイションズリーグのリーグA・グループ3第6節が行なわれ、ウェンブリー・スタジアムでイングランド代表とドイツ代表が対戦。お互いに点を奪い合う展開となり、3-3のドロー決着となった。

 しかし、この試合の前に現地では驚くべき事態が起こっていた。現地紙『The Sun』などが報じるところによれば、約100人の武装集団がパブを“襲撃”。「試合開始前、スタジアム近くのパブにナタなどで武装した集団が現われ、5人が病院に運ばれる事態になった」という。

「午後6時頃に起きたその事件は、家族連れに人気のあるパブが舞台となった。警察がすぐに出動したが、その場にいた試合前の1杯を楽しんでいたイングランドの人々は、黒ずくめの男たちにビアガーデンに押し込まれた。この集団にはドイツ人が多く含まれ、数人はイングランドファンを装っていたという。これまでに4人が逮捕され、5人が指などを切る重傷で病院に運ばれた」
【画像】ドイツ人ファンの“襲撃”を受け、イングランドのパブが騒然となった瞬間!
 その後、警視庁から公式発表があり、より詳細な内容が明らかになっている。

「17時50分、約100人の男性のグループが、そのほとんどはマスクを着用し、駐車場に通じる路地を通り、ウェンブリーのダグマー・アベニューにあるパブに近づいた。そしてパブのビアガーデンに入り、行動を起こした。多くはイングランドのキャップやスカーフを身につけていたが、ドイツの“ファン”であったと思われる。

 集団はパブのビアガーデンに入り、客に暴行を加え始めた。イングランド対ドイツの試合を観るためにいた客に、パンチを見舞い、トラフィックコーンを含むものを投げ込み、2分ほど騒動が続いた。警察が到着すると集団は散ったが、多くの人が頭や顔に怪我を負った。我々は逮捕者4人、足、手首、親指に重傷を負った3人を確認している。いずれも命に別状はない」

 また、『The Sun』は現地に立ち会った人々の声も紹介。「現場には高齢者や子どももいた。非常に恐ろしかった」「フードを被った覆面の“フーリガン”が待ち伏せし、馬に乗った警察が到着する。信じられない光景だった」「国旗が盗まれた。子どもたちが怖がっている」「ドイツの大勢のウルトラスがやってきて、イングランドのファンはガラスをかけられた。ドイツ人ファンも殴られ、治療が必要だった」といった目撃談が寄せられているという。
 
 試合そのものは熱戦であっただけに、ドイツ・サポーターをはじめとする振る舞いは遺恨を残してしまったと言えそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部