ついに年が明け、2023年となった。本稿では、2022年のサッカー界における名場面を『サッカーダイジェストWeb』のヒット記事で振り返る。今回は、カタール・ワールドカップの期間中にイングランド代表のハリー・ケインが身に付けていた腕時計に海外メディアが注目した記事を再掲する。
記事初掲載:2022年11月26日
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イングランド代表ハリー・ケインは、ワールドカップの開催地カタールに入ってから、ある腕時計を身に着けている。米スポーツチャンネル『ESPN』や英メディア『SPORTBIBLE』などによれば、これは高級時計ブランドのロレックス製だという。
「この時計は市場で最も人気のある18Kローズゴールドの珍しいロレックス・デイトナ『レインボー』だ。ベゼルに36個のバゲットカットのレインボーサファイア、ケースに56個のブリリアントカットのダイアモンド、アワーマーカーに11個のバゲットカットのレインボーカラーのサファイアが配置されている。
この商品は2012年に18Kホワイトゴールドと18Kイエローゴールドで発売されたが、当時はさほど評価されていなかった。しかし、時間が経つにつれて当時15万ユーロ(2100万円)だったものが、63万ユーロ(約8520万円)まで値上がりし、人気を集めている商品だ」(『SPORTBIBLE』)
では、なぜ注目を集めているのか。その理由が、この時計が“レインボー”の意味が込められているという点だ。
【画像】FIFAへの無言の抗議? ケインが身に着けている高級“レインボーウォッチ”をチェック
カタール大会では、レインボーカラーを彷彿とさせるアイテムはサポーターであれども禁止されている。当初、ドイツやベルギーを含む欧州7か国は、主将が「One Love」という文言とハートマークが入った、多様性を示す虹色の腕章を身に着ける予定だった。
しかし、国際サッカー連盟(FIFA)は政治的なメッセージを禁止するという規定や、カタール国内ではこうした活動をした該当者を書類送検にするという背景などを理由に、着用した場合は即刻選手に警告処分を科すと通達した。そのため、“虹色”の腕章は日の目を見ることはなくなった。
一部の報道によれば、今後はファンのレインボーアイテムに対する規制は緩和される見込みだ。だが、各国代表チームにおいて虹色の腕章が許されることはないだろう。そのため、『ESPN』は「イラン戦の6時間前に腕章の着用を禁止された英主将のハリー・ケインによる無言の“抗議”だ」と伝えている。
今回のFIFAの決定を巡っては、ドイツ代表が試合前に口を覆うしぐさで抗議行動を行なったほか、デンマークが欧州サッカー連盟(UEFA)を通じて訴訟を見据えるなど反発を招いていることも確か。ケインの虹色の腕時計も、そのひとつなのかもしれない。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部