日本代表は9月27日、キリンチャレンジカップ2022でエクアドル代表と対戦し、0-0の引き分けに終わった。

■前半は自分たちの流れを作れず

 チームの振る舞いを見る限り、日本はボールを保持しつつ相手を動かし、堂安律と三笘薫のところに時間とスペースを作りつつゴールを目指すプランがあったように思える。

 ただやはり、南米予選を勝ち上がってきたチームは一筋縄ではいかなかった。

 ピッチコンディションの悪さが影響した部分もあるが、エクアドルのスペースを埋める速さや切り替えの早さ、前を向かせないフィジカルコンタクトの強さに押されてしまい、自分たちの流れに持って行けず。南米らしい「強度」に圧倒され、苦手としているカオス要素の強い展開になり、前半は思うようにチャンスを作れなかった。

 その中でも無失点に抑えた部分は評価できるが、最初の45分に何か成果を得られたかと言われれば微妙なところである。

■上田と相馬は強力な武器に

 ただこの苦しい状況でも、後半の上田綺世と相馬勇紀の投入により、流れを持って行かせなかったことも見逃せない。

 ハーフタイムの交代で投入された上田は、持ち前のフィジカルでエクアドルのDFと対等に渡り合い、ファイナルサードで違いを見せる。多少無理のあるボールを収められる能力は南野拓実とも相性が良く、後半に入ってから南野は息を吹き返して好プレーを何度か見せていた。上田の登場によって、前半の流れを引きずり防戦一方にならなかったのはかなり大きい。

 また66分に登場した相馬は、三笘とは違った種類のドリブルで相手を翻弄。対面した選手に尻もちをつかせたシーンが印象的だった。今回のように、“露出”の少ない相馬をカタールW杯で”初見殺し”のジョーカーとして使う選択肢もアリなはずだ。

 チームとしては本大会でのメンバー発表直前に難しい試合を経験したものの、その中で輝いた上田と相馬は、カタールW杯行きに近づいたと言えるはずだ。