誰が日本代表を勝利に導くのか

11月の下旬からスタートするワールドカップ・カタール大会。日本代表はこの大会に臨むことになっており、11月1日にそのメンバーが発表される。今回は従来の23人ではなく26人を登録することができる。

サムライブルーはおそらく[4-2-3-1]で本大会に臨むと予想でき、グループステージ初戦の前にカナダ代表との親善試合が控えている。

『センターフォワード』
CFはこの森保ジャパンで最も人選の予想が難しいポジションだ。候補でいえば上田綺世、前田大然、古橋亨梧、町野修斗、大迫勇也、浅野拓磨の6人で、9月の代表戦で選ばれた上田、前田、古橋の3人がリードしているといえる。

前田は献身的な守備を買われており、あのハイプレスは誰も真似できない。アメリカ戦ではそのプレッシングから相手のビルドアップを混乱させており、ポストプレイから攻撃を活性化させる場面もあった。上田は所属するサークル・ブルージュで調子を上げており、ここまで5ゴールを決めている。それほど大きな選手ではないが、滞空時間の長いジャンプ力を武器にエアバトルで輝きを放つ。古橋も上田同様に所属するクラブでの活躍は素晴らしいが、いかんせん代表での存在感が薄い。古橋のパフォーマンスというよりも他選手との組み合わせであり、森保一監督はこの古橋を最大限に生かす方法を見つけられていない。そのため実績があり、ヴィッセル神戸で調子を上げている大迫の復帰も考えられる。

『サイドハーフ』
両翼は序列が明確で、右は伊東純也と堂安律、左は久保建英と三笘薫の計4人が抜きんでている。右サイドは特徴が違う2人が揃っており、伊東はより縦に、堂安はカットインから攻撃面で違いを見せる。それぞれ所属クラブで出場機会を得ており、コンディション面の問題はないだろう。

左は久保の先発、三笘のジョーカー起用が予想できる。久保はレアル・ソシエダでプレイを続けており、攻守両面で存在感を披露している。今季はとくに守備が強化されており、穴にならない。三笘は直近のチェルシー戦で先発出場を掴むなど所属クラブで信頼を高めている。負傷から復帰しており、問題なく日本代表の最終兵器として機能してくれるだろう。

登録メンバーが23人から26人になったことで3人を増やすことができ、両翼にまだ人員を割く余裕はある。そこで食い込んでくると予想できるのが、相馬勇紀と中村敬斗だ。両者ともに左サイドを主戦場とするドリブラーで、相馬は代表で、中村は所属クラブで存在感を発揮している。ここで未招集の中村を呼ぶ可能性は低いといえるが、三笘に続く2人目のジョーカーをどこかで発掘したい。

『トップ下』
アジア最終予選で使用した[4-3-3]と現在の[4-2-3-1]の違いはトップ下の有無だ。より高い中盤の位置でプレイしCFやWGを操る。このポジションには鎌田大地という絶対的な選手がいる。代表、クラブともに中心人物であり、とくに今季フランクフルトでの活躍は素晴らしい。得点力が開花しており、リーグ戦ではすでに7点を決めている。ゴール前への飛び出し、ミドルシュートと武器が多く、W杯本戦では何点決めてくれるのか。

10番の南野拓実は鎌田の控えがおそらく定位置になる。代表での序列は日に日に下がっており、モナコでの出番も少ない。アンジェ戦で先発したが、存在感薄く55分にベンチに下がっている。招集される可能性が高く、南野が復活すれば2列目はより頼もしくなる。

『ボランチ』
中盤の底は遠藤航と守田英正の2人が頭一つ抜けている。守備強度、ビルドアップ時のボール運びの安定感が素晴らしく、万全の状態であれば彼らが日本でトップのボランチだ。

対抗馬は田中碧で、どこまで食らいつけるのか。柴崎岳や原口元気は日本代表に継続して呼ばれているが、それほど実績を残せていない。柴崎は9月のゲームではイマイチなパフォーマンスに終わっており、原口はウイングバック起用という便利屋で終わってしまった。

最終予選では呼ばれていないが、中盤はグラスホッパーの川辺駿に期待したい。昨季から継続して得点を重ねており、今季すでに6ゴール4アシストを記録している。ゴール前に飛び出すタイミングが絶妙であり、得点が欲しい場面で使ってみたい。

セルティックの旗手怜央は9月の代表戦で招集されたが、一度もピッチに立つことなくスコットランドに戻っている。適性のあるポジションが今の代表にはないことが影響したのか、彼の中盤でボールを落ち着かせられる能力の高さは必要だといえる。セルティックではそれをレアル・マドリード相手に実現しており、彼ほどの強心臓はそういない。グループステージではスペインやドイツとそれこそレアル級との対戦が予定されており、その強度を知る旗手は26人に入り込めるのか。

『センターバック』
CBは吉田麻也、冨安健洋、谷口彰悟、伊藤洋輝の4人が濃厚で、状態次第で板倉滉がここに加わることになる。

先発は吉田と冨安のコンビだと予想でき、冨安はアーセナルで素晴らしいパフォーマンスを披露している。ただ吉田はスピード不足を指摘されるなど不安要素がある。そのため板倉の復帰を待ちたいのだが、時間もなく現実的ではない。伊藤のCB起用が増えており、伊藤・冨安の若いCBコンビが優先されることもあるだろう。

旗手と同様に9月の代表戦で呼ばれるも瀬古歩夢に出番が回ってくることはなかった。右利きだが、左足でも同程度のパスを供給できる両利きであり、所属クラブでは3バックの左を任されている。フィードが武器で、中盤でプレイできるユーティリティ性もある。強度が高く、競り負けない点も魅力だが、サプライズ招集の線は薄い。

『サイドバック』
右には酒井宏樹、山根視来、左には中山雄太、長友佑都、伊藤もここでプレイすることがある。ここはアジア最終予選終盤から変わらぬ人選であり、サプライズはないだろう。ただ左SBの中山は見極める必要があり、9月の代表戦ではビルドアップでもたついていた。前線に上がれば高精度のクロスで攻撃参加できるが、ビルドアップ時にプレッシャーを受けると予想すると、伊藤が1番手になることも。長友は両サイドをカバーするバックアッパーであり、右SBの1番手は酒井か。菅原由勢は呼んでみても面白いといえるが、森保監督はどのような判断を下すのか。

『ゴールキーパー』
このポジションの3人の予想はたやすく、権田修一、シュミット・ダニエル、川島永嗣だ。問題は正守護神を誰にするかであり、9月の代表戦で名を揚げたのがシュミットだ。正確なロングパスで攻撃を支え、エクアドル戦ではPKストップで負けを引き分けに持っていった。GKは実力もそうだが、その時期にどれだけ当たっているかが重要であり、チャンスを掴んだシュミットを昇格させるのも悪い判断ではない。

『MF/FW』
上田綺世(サークル・ブルージュ)
前田大然(セルティック)
古橋亨梧(セルティック)
(大迫勇也)(ヴィッセル神戸)
伊東純也(スタッド・ランス)
堂安律(フライブルク)
久保建英(レアル・ソシエダ)
三笘薫(ブライトン)
鎌田大地(フランクフルト)
南野拓実(モナコ)
(相馬勇紀)(名古屋グランパス)
(中村敬斗)(LASKリンツ)
遠藤航(シュツットガルト)
守田英正(スポルティングCP)
田中碧(デュッセルドルフ)
柴崎岳(レガネス)
原口元気(ウニオン・ベルリン)
(旗手怜央)(セルティック)
(川辺駿)(グラスホッパー)

『DF』
吉田麻也(シャルケ)
冨安健洋(アーセナル)
谷口彰悟(川崎フロンターレ)
伊藤洋輝(シュツットガルト)
板倉滉(ボルシアMG)
(瀬古歩夢)(グラスホッパー)
酒井宏樹(浦和レッズ)
山根視来(川崎フロンターレ)
中山雄太(ハダースフィールド)
長友佑都(FC東京)
(菅原由勢)(AZ)

『GK』
権田修一(清水エスパルス)
シュミット・ダニエル(シント・トロイデン)
川島永嗣(ストラスブール)

予想される招集メンバー26人は上記の通りだ。()内の選手は呼ばれればサプライズ招集とされる選手たちであり、一番可能性が高いのは大迫だろう。起用傾向から見て森保監督からの信頼は高く、所属クラブでも得点数を増やしている。

サプライズ招集もあり得る11月1日のメンバー発表。所属クラブだけを見れば素晴らしい選手たちが揃っており、難しいグループステージを突破してベスト16の壁を突破することはできるのだろうか。