シャルケは今年7月、日本代表DF板倉滉(25)の退団をうけてDF吉田麻也(34)を獲得。吉田麻也は副キャプテンとしてチーム内で中心的な役割を担っているが、現地メディアは同選手が板倉滉よりも劣っていると判断しているようだ。

 板倉滉は昨年8月、マンチェスター・シティからシャルケへ1年レンタルにより加入。センターバックの主力選手としてドイツ2部リーグでほぼ全試合に先発出場し、ブンデスリーガ昇格に大きく貢献していた。しかし、シャルケ幹部はおよそ600万ユーロ(約8億5000万円)の買い取りオプション行使を断念。5月31日にシャルケ退団が正式決定すると、新天地のボルシア・メンヒェングラートバッハでも主力選手として活躍している。

 一方、吉田麻也は今年7月にシャルケと1年契約を締結。副キャプテンとして今季開幕から公式戦全試合でフル出場している。ただ8月27日のブンデスリーガ第4節・ウニオン・ベルリン戦では5失点に関与。くわえて現地メディアからは再三にわたり「ブンデスリーガで通用するスピードに欠けている」と指摘されている。

 その中ドイツメディア『RUHR24』は、戦術面でシャルケの抱える問題点の特集記事を掲載。今月2日のブンデスリーガ第8節・アウクスブルク戦では、自陣でボールを持った時に細かいパス回しではなくロングボールを選択する場面が多かったことを指摘している。

 その上で「板倉滉とマリック・ティアウの退団により、吉田麻也らにより形成されたディフェンス陣は、無条件に前に突進できるほど安定しているとは言い難い」と言及。ビルドアップ能力に長けている板倉滉と吉田麻也を比較した上で「攻撃的なスタイルが叫ばれる中、フランク・クラマー監督は常に適切なバランスを見つけなければならない」とシャルケ指揮官に戦術面での改善を促している。

 なおシャルケはアウクスブルク戦黒星により、勝ち点6の獲得にとどまるとともに15位に沈んでいる。今季ここまで苦戦を強いられているだけに、クラブ幹部は板倉滉の存在の大きさを改めて感じているかもしれない。