8年前は死の組を突破している

日本代表がワールドカップ・カタール大会のグループステージで対戦するドイツ代表とスペイン代表は5大リーグのビッグクラブでプレイする猛者だらけで、全ポジションにスター選手を抱えている。

それに対し、グループ第2戦で対戦するコスタリカ代表は真逆の構成だ。9月の親善試合に召集されたメンバーの中に5大リーグの1部でプレイしている選手は1人も存在せず、メンバーの大半が国内リーグでプレイしている。本大会ではパリ・サンジェルマンに所属するGKケイロル・ナバスが5大リーグからやってくる数少ないメンバーとなりそうだ。

しかし、実力を甘く見ることはできない。英『Daily Mail』はカタール大会を前に『ヨーロッパ以外のクラブからワールドカップへやってくる10人の実力者』と題した特集を組んでいるのだが、その中にはコスタリカから2選手リストアップされている。

1人はコスタリカの生ける伝説MFブライアン・ルイスだ。37歳の今も国内のアラフエレンセでプレイする技巧派レフティーは、これまで143試合も代表戦を経験している。コスタリカにとっての象徴的プレイヤーで、今大会にかける思いは強い。

もう1人は、アーセナルでもプレイしたFWジョエル・キャンベル(30)だ。アーセナルで大活躍とはならなかったが、モンテレイや現在所属するレオンなどメキシコ国内でプレイを続けてきた。コスタリカは大陸間プレイオフでニュージーランド代表を撃破して本大会出場を決めているが、決勝ゴールを決めたのはキャンベルだ。

この2人は2014ワールドカップ・ブラジル大会でイタリア、イングランド、ウルグアイと同居した死の組を突破した奇跡の立役者で、8年経った今回も彼らは主力としてカタールへ乗り込んでくる。コスタリカにとっての黄金世代と言っていいだろう。経験値と代表チームでの連携は脅威だ。

他にも前述したニュージーランド戦では35歳のGKケイロル・ナバス、33歳のDFオスカル・ドゥアルテ、30歳DFフランシスコ・カルボ、32歳DFブライアン・オビエド、MFセルソ・ボルヘス(34)、イェルツィン・テヘダ(30)、そしてFWキャンベル(30)、途中出場から37歳のブライアン・ルイス、33歳MFホアン・アルベルト・ベネガス、34歳FWケンドール・ワトソンと30代のベテランプレイヤーが数多く名を連ねていた。守護神ナバスやボルヘス、ドゥアルテ、テヘダといった選手も8年前のワールドカップを経験しており、この経験値こそコスタリカ最大の武器である。

その中でもリーダー格である37歳のブライアン・ルイスは今も所属するアラフエレンセで主力を務めており、ベテランだからと油断はできない。

日本代表の中には今回が初めてのワールドカップといった選手も多く、経験値ではコスタリカが上と見ていいだろう。ドイツやスペインの実力も脅威だが、いぶし銀なフットボールを魅せるコスタリカも簡単にはいかないはずだ。