シャルケ所属の日本代表DF吉田麻也(34)は約1カ月半後にFIFAワールドカップ・カタール大会を控える中、シャルケ低迷の要因としてやり玉に挙げられている。

 吉田麻也はサンプドリアを契約満了により退団すると、今年7月にシャルケへ加入。移籍1年目から副キャプテンを任せられる中、ここまでブンデスリーガ全試合でフル出場している。ただ8月27日のブンデスリーガ第4節・ウニオン・ベルリン戦では5失点に関与。くわえて現地メディアからは再三にわたり「ブンデスリーガで通用するスピードに欠けている」と指摘されている。

 さらに今月2日のブンデスリーガ第8節・アウクスブルク戦では3失点。試合後、ドイツメディア『RUHR24』は同選手に「まだ周りが期待している守備面でのサポートは見られていない。この日本人は多くの空中戦で敗れたほか、空中戦に挑まない時もあった。不安そうで、単純なミスをいくつも犯していた」と厳しい評価を与えていた。

 シャルケはアウクスブルク戦黒星により、ブンデスリーガで18クラブ中15位に低迷。アウクスブルク戦ではビルドアップの形がほとんど見られず、ロングボール選択の場面が多かったことにより、フランク・クラマー監督への批判が沸き起こっている。

 そんな中、ドイツ誌『ビルト』は5日に「(解任が噂されている)クラマー監督はまだ大丈夫だ」と見出しをうち、シャルケの現状を特集。守備陣ではレギュラーを掴みかけていたDFセップ・ファン・デン・ベルフ(20)の負傷離脱に触れた上で「今季ここまで17失点を喫しているという点で、センターバックでは中心選手の吉田麻也が徐々に問題となっている」

 「クラマー監督はスピードのあるストライカーに対抗するためのプランを完璧に練る必要がある」と言及。再び吉田麻也のスピード不足が弱点であるとの見方を示した。

 シャルケは今月8日にブンデスリーガ第9節・レバークーゼン戦を控えている。今季ここまでわずか1勝と苦戦を強いられているだけに、今後数試合の結果次第ではクラマー監督の進退問題に発展することも考えられる。