W杯直前までリーグ戦がある他国との違い
ワールドカップ・カタール大会まで残り1カ月ほどとなったが、今大会は冬開催なのが大きな特長だ。欧州5大リーグをはじめ、欧州のほとんどのリーグはワールドカップ直前まで国内リーグを戦っており、代表合宿の時間をあまり取れない中でワールドカップ本番を迎えることになる。
それに対して、まったく異なる動きを見せるチームがある。開催国のカタール代表と、アジアより出場するサウジアラビア代表だ。
両チームはメンバーの大半を国内組が占めており、サウジアラビア国内リーグは今月17日の戦いで一度中断する。再開は12月16日を予定しており、『EuroSport』はサウジアラビア代表が10月よりワールドカップへ向けた長期的な代表合宿に入ると伝えている。
カタールも国内リーグは9月で中断しており、現在はカタール・スターズ・カップなる国内カップの日程を消化している。それも16日で終えることになり、選手たちはワールドカップへの準備を進められる。
今季途中までサウジアラビア国内リーグのアブハーの指揮官を務めていたスヴェン・ヴァンデンブロークは、このスケジュールの違いがサウジアラビア代表にとってポジティブなものになると語っている。
「サウジアラビアはワールドカップでメキシコ、ポーランド、アルゼンチンと同居する厳しいグループに入っている。ただ、1つアドバンテージがある。35日間にわたる代表キャンプだ。これは他国が出来ないものだ」
サウジアラビアとカタールに超のつくスター選手はいない。戦力的には出場国の中でも下から数えた方が早いだろうが、コンディションの部分は他の出場国より良いかもしれない。果たしてこれがどう影響するのか。
冬開催のワールドカップに関してはメリット、デメリットの両方が議論されているが、欧州でプレイする選手たちの場合はシーズンが終了した夏開催よりも疲労が少ない中でワールドカップを戦えるのではなんて意見もある。
ただ、直前の代表合宿が短くなることで連携面などに影響が出る恐れはある。今大会は予想が難しいが、開催時期を変えたことによるサプライズも起こり得るだろう。