ボルシア・メンヒェングラートバッハ(ボルシアMG)所属の日本代表DF板倉滉(25)は昨季までシャルケでプレー。シャルケはマンチェスター・シティからの同選手買い取りオプション行使を諦めて、日本代表DF吉田麻也(34)を獲得している。そんなシャルケの幹部が板倉滉のメンタリティを称えるとともに、退団直前の交渉の舞台裏を明かした。

 板倉滉は昨年8月、マンチェスター・シティからシャルケへ1年レンタルにより加入。センターバックの主力選手としてドイツ2部リーグでほぼ全試合に先発出場し、ブンデスリーガ昇格に貢献。しかしシャルケは買い取りオプション行使額が600万ユーロ(約8億5000万円)と高額であることを理由に、同選手の完全獲得を断念。同選手はマンチェスター・シティからボルシアMGへ完全移籍している。

 そんな板倉滉についてシャルケのルーベン・シュレーダーSD(スポーツディレクター)は「彼はプロフェッショナルの原型だ。(1年しかいなかったけど、)彼のシャルケに対する情熱は我々と一緒だった。私と同じように、彼はシャルケで幸せだったんだ」とコメント。元ボルシアMG所属選手であるエヴァルド・リーネン氏のポッドキャスト『DerSechehner』を通じて同選手を称えている。

 またシュレーダーSDは選手サイドから年俸引き上げの要求があったことを明かした上で「彼は単純によくやってくれるから、要求があって当然だ」と理解を示したほか、昨季終了後に板倉滉のもとに3クラブからオファーが届いていたことも明かした。

 板倉滉は今季ブンデスリーガ開幕からほぼ全試合で先発出場するなど、ボルシアMG移籍1年目ながらもセンターバックのレギュラーに定着。しかし先月12日の練習中に左膝の内側側副靭帯を断裂。FIFAワールドカップ・カタール大会前までの復帰が絶望的とみられていた。

 しかし同選手は2週間前からランニングを開始。ドイツメディア『Ligainsider』が復帰時期について「練習場に当初の予定よりも少し早く戻ってきた」と見解を示しているほか、ボルシアMGのダニエル・ファルケ監督も「板倉滉のリハビリ過程は予定通りだ」とコメントを残している。