ことし11月20日に開幕する「FIFA ワールドカップ カタール 2022」。2018年ロシアW杯でフランスの優勝に貢献したアントワーヌ・グリーズマンにまつわるNetflixのドキュメンタリー映画『アントワーヌ・グリーズマン:レジェンドの誕生』で彼の知られざる素顔が明かされている。
2018年ロシアW杯では決勝でクロアチアに4-2で勝利し、W杯優勝を果たしたフランス。グリーズマンはフリーキックで相手のオウンゴールを誘って先制し、38分にもPKを決めるなど、フランスの世界制覇に大きく貢献した。
グリーズマンは決勝の試合を振り返り、「国歌では泣かないようにした。2度とない素晴らしい瞬間だったから。それから何をしたか覚えていないんだ。夢のようで。最初のキックは興奮してて勝手に足が動くんだ。素早くパスするけどボールが吹っ飛んでいく。落ち着かなきゃ……」と思ったことを明かす。
フランスの優勝が決まったときには「有頂天だったよ。信じられないさ」と歓喜の瞬間を振り返る。そして「親のことを考えたよ。まだ幼い僕を出してくれた両親のことをね」と言葉をつまらせた。まだ14歳だったグリーズマンをスペインのレアル・ソシエダへ送り出した父親は周囲から非難され、母親は他愛もない話をしながらサッカーを続ける息子を支えてくれたことを思い出す。ずっと応援してくれた両親にやっと恩返しできたように感じられたのだろう。
フランスのW杯優勝を祝って、パリのシャンゼリゼ通りで行われた大熱狂の優勝パレードに続き、グリーズマンの地元・マコンでも祝賀イベントが開催された。「あんなにたくさんの人が祝いに来てくれるなんて。最高に素晴らしい時間だった。決して忘れないよ」とグリーズマンは振り返る。彼の父親は大観衆の前で「14歳でレアル・ソシエダ入りだ、ありがとう。愛してるよ」と若くして見出された才能を完全に開花させた自慢の息子への思いを端的に語った。グリーズマンは「電話でも“愛してる“って滅多に言えない父が何千人もの前で言って……驚きだよ」と笑顔を見せた。