【プレミアリーグ】サウサンプトン1－1アーセナル（日本時間10月23日／セントメリーズ・スタジアム）

　対人守備からカバーリングなど幅広いディフェンス力に定評のある冨安健洋のサイドから、アーセナルが失点。リーグでは今季初となる引き分けとなり、勝ち点２を落とすなど、現在首位を走るチームにとって大きな痛手を被った失点シーンに「今のはやられた」と視聴者からは悲鳴が上がった。しかし、サウサンプトンの見事な崩しの一方で、アーセナルの歯車には失点の“数秒前”から狂いが生じていた。

【映像】問題の失点シーン（詳細）

　現在、プレミアリーグでは３試合連続でスタメン出場中の冨安健洋だが、チームは彼のサイドで失点を喫してしまった。問題のシーンは65分。アーセナルは高い位置からプレスを仕掛けて、サウサンプトンからボールを奪おうとするものの、それに失敗。スピードに乗った状態の攻撃に、アーセナルの守備陣がさらされると、なすすべなく失点してしまった。

　この場面、ABEMA解説の戸田和幸氏は「（サウサンプトン側の）左サイドから前進するときに縦パスのスルーがあったんですけど、それが上手かった」と、アーセナルのハイプレスを突破できた理由を分析。最終的な失点に関しては「ガブリエウがシュートを打たせないために止まって、冨安との間に門が発生した」と分析している。

　日本のファンとしては、「今のはやられた」「冨安のところでかわされた」と、日本代表SBが止められなかったことを嘆くコメントも多い。冨安としても相手の縦への突破を止めるように意識しつつも、中に運ばれたときの保険として右足でも触れるようにしていた。間違えた対応をしたわけではないが、やはり守備力に定評のある冨安なら触って欲しかった……という、期待しているからこその悔しさもある。

　あるいは、味方の中盤の戻りが間に合えば対応できたはずなのだが、失点数秒前には完全に歯車が狂っていた。結果、冨安の隣でプレーするブラジル代表DFガブリエウは、シュートストップか、カバーリングかを悩み、どっちつかずになり停止。気づけばスコットランド代表FWS.アームストロングに得点を許してしまっていたのだ。結局、昨季に続きこの試合でも、アーセナルは勝ち点３をサウサンプトンからホームに持ち帰ることができなかった。　

　ただしアーセナルは昨季もサウサンプトンとのアウェイゲームで敗戦を喫するなど、ロンドン南西部の港町を苦手としている。サウサンプトンと言えば、タイタニック号出港の地としても有名だが、この地には何かしらの呪いがあるのか。実際にアーセナルの失点の場面でも、何人かの選手が動けなくなってしまった……。この地には見えない何かがあるのか──。（ABEMA／プレミアリーグ）