10月25日、都内で催された1.FCケルンのネットワーキングイベントに、同クラブのレジェンドである奥寺康彦氏(現・横浜FCシニアアドバイザー)がゲスト出演。残り1か月を切ったカタール・ワールドカップ初戦(日本×ドイツ)の展望を口にした。

 現役時代に「東洋のコンピューター」の異名を取った奥寺氏の言葉に熱がこもったのは、同じくゲストスピーカーとして招かれた森﨑浩司氏(サンフレッチェ広島クラブアンバサダー)から、ずばり「ドイツに勝てるか」という質問が飛んだ時だった。

「もちろん、ドイツの方が上だと思う。フィジカルもあるし、技術力も高い。(日本代表は)非常に苦労すると思う。ただ、ドイツはそれほどコンディションがよくないだろうと。リーグ戦が終わってから、すぐにワールドカップに臨まなければならない」

 奥寺氏が指摘するように、ドイツ国内リーグのブンデスリーガが中断するのはカタールW杯開幕日(11月20日)のちょうど1週間前。すでに国外キャンプをスタートさせているサウジアラビア代表などと比べると、個々のコンディション調整に費やせる時間は圧倒的に短い。奥寺氏は「そこに隙があるんじゃないか」と見ているようだ。
 最新のFIFAランキングで24位の日本代表にとって、同11位のドイツ代表は言うまでもなく格上。ただ、それほど大きな差があるわけではない。奥寺氏はそう考えているという。

「日本代表にも海外で活躍している選手がたくさんいるので、そんなに差はない。ただ、本当に100%のコンディションでやった時は向こうの方が強い。日本がしっかりと準備して、(ドイツとの)初戦に良いコンディションで臨めれば、結構戦えるような気がする」

 そのコンディションで優位に立つという条件付きながら、日本も「十分勝つチャンスはある」と番狂わせの可能性について言及した。

 7大会連続7回目のW杯出場となる日本は、カタールでドイツ(11月23日)、コスタリカ(同27日)、スペイン(12月1日/日本時間2日)とグループEの2位以内を争う。

取材・文●ワールドサッカーダイジェスト編集部