2022年のワールドカップがついに終了しました。2022年はカタールで開催されましたが、そもそもワールドカップの開催国はどのように決められているのでしょうか。この記事では、開催国の決め方や歴代のワールドカップを開催してきた国、次回以降の開催国や、その先で招致に名乗りを上げている国々などを紹介します。
さらに、各国のワールドカップ本大会への出場権の獲得方法、「開催国は初戦で負けない」といった大会にまつわるジンクスにも触れていきます。
目次
- ワールドカップ歴代の開催国一覧
- ワールドカップ2022の開催国・開催都市をチェック
- 史上初の3ヶ国共同開催!ワールドカップ2026
- 2030年・2034年ワールドカップ開催国予想
- 開催国ごとに変わる?ワールドカップの出場権の決め方
- 開催国なのにグループリーグ予選敗退した国はある?
- 開催国は「初戦で負けない」というジンクス
- ワールドカップ開催国で優勝した国はある?
- まとめ
ワールドカップ歴代の開催国一覧
ワールドカップの開催国は、FIFA(国際サッカー連盟)理事会による投票で決定します。まずは、1930年にワールドカップが始まってから2022年に至るまでの開催国をご紹介します。
- 1930年:ウルグアイ(南米)
- 1934年:イタリア(ヨーロッパ)
- 1938年:フランス(ヨーロッパ)
- 1950年:ブラジル(南米)
- 1954年:スイス(ヨーロッパ)
- 1958年:スウェーデン(ヨーロッパ)
- 1962年:チリ(南米)
- 1966年:イングランド(ヨーロッパ)
- 1970年:メキシコ(北米)
- 1974年:西ドイツ(ヨーロッパ)
- 1978年:アルゼンチン(南米)
- 1982年:スペイン(ヨーロッパ)
- 1986年:メキシコ(北米)
- 1990年:イタリア(ヨーロッパ)
- 1994年:アメリカ(北米)
- 1998年:フランス(ヨーロッパ)
- 2002年:日本・韓国(アジア)
- 2006年:ドイツ(ヨーロッパ)
- 2010年:南アフリカ(アフリカ)
- 2014年:ブラジル(南米)
- 2018年:ロシア(ヨーロッパ)
- 2022年:カタール(アジア)
ワールドカップは基本的に4年ごとの開催となっていますが、1942年と1946年は、第二次世界大戦とその後の復興のため中止となっています。
サッカー日本代表は1998年のフランス大会でワールドカップに初出場しました。その後は毎大会出場し、最高成績は2002年韓国/日本大会、2010年南アフリカ大会、2018年ロシア大会のベスト16(決勝トーナメント1回戦敗退)です。
ワールドカップ2022の開催国・開催都市をチェック
2022年のワールドカップ開催国はカタールでした。アジアでは日韓共同開催に続いて二度目、中東・アラブでは初の開催となりました。通常、ワールドカップはひとつの都市・会場で行われるのではなく、その国のさまざまな都市に分かれて試合が開催されます。
カタールでは以下の都市、スタジアムで開催されました。
- ■ドーハ
- ハリーファ国際スタジアム
- アル・サマーマ・スタジアム スタジアム974
- ■アルホール
- アル・バイト・スタジアム
- ■アル・ワクラ
- アル・ジャヌーブ・スタジアム
- ■アル・ラーヤン
- エデュケーション・シティ・スタジアム
- アフメド・ビン・アリー・スタジアム
- ■ルサイル
- ルサイル・スタジアム
決勝戦は今大会で使われるスタジアムの中で一番大きい、収容人数約8万人のルサイル・スタジアムで行われました。
史上初の3ヶ国共同開催!ワールドカップ2026
2026年のワールドカップは、アメリカ・カナダ・メキシコの3ヶ国共同開催がFIFAの投票により決定しています。2022年のカタール大会に出場するのが32カ国に対して、2026年の大会は出場枠が48チームに拡大しました。
共同開催は2002年に日本と韓国でも行われましたが、3ヶ国共同開催は初めてとなります。アメリカは1994年に、メキシコは1970年、1986年にそれぞれ開催国となった実績を持っています。一方、カナダは2015年の女子ワールドカップを除くと、開催国となるのは初です。
2030年・2034年ワールドカップ開催国予想
2026年以降の開催国はまだ決定していませんが、すでに招致に動いている国が多数存在します。
今年の8月にCONMEBOL(南米サッカー連盟)は、ウルグアイ・アルゼンチン・パラグアイ・チリの4ヶ国共同開催で2030年のワールドカップを招致すると発表しました。2030年は第1回ウルグアイ大会から100年となる記念の年でもあり、CONMEBOLはワールドカップの故郷ともいえる南米での開催を希望しているようです。
2030年大会では、スペインとポルトガルが共同開催の候補地となっています。さらに、そこへウクライナも加わるとイギリスの「スカイ・スポーツ」が報じています。このほかには、エジプト・ギリシャ・サウジアラビアが招致する可能性もあります。2030年大会の開催地は、これらの候補地から2024年に投票によって決定される予定です。
2034年大会は、東南アジア諸国連合がワールドカップの共同開催を目指していると報じられています。とはいえ、まだどの国同士で共同開催されるのか、はっきりとしたことは分かっていません。ニュース記事などによると、インドネシア、タイ、マレーシア、ブルネイ、シンガポールなどが関心を持ち、オーストラリアとも話し合いをしているとのことです。
開催国ごとに変わる?ワールドカップの出場権の決め方
ワールドカップは、ヨーロッパやアジア、南米といった地域ごとに出場枠が存在します。出場枠は全ての地域へ均等に割り振られるわけではなく、大会ごとに枠数や条件が異なります。今回のワールドカップカタール大会に進んだ国は、どのような条件を突破したのでしょうか。各地域の出場枠数と条件を解説します。
■ヨーロッパ
ヨーロッパには最多の13枠が与えられていて、5~6ヶ国で10グループに分けて予選が行われました。
各グループの1位、合計10チームはそのまま出場が決定。さらに、各グループ2位と、UEFA(欧州サッカー連盟)ネーションズリーグ上位2チームの合計12チームがプレーオフで戦い、ここから3チームが選ばれました。
なお、ロシアのウクライナへの軍事侵攻により、FIFAとUEFAはロシア代表の出場を禁止しました。そのため、ロシアはプレーオフで不戦敗となっています。
■アジア
アジアでは与えられた4.5枠に加え、開催国であるカタールの出場が決定しています。
今大会、アジアはアジア最終予選に出場した12ヶ国で2つに分かれてグループ戦を行い、各グループの1位と2位の合計4チームがワールドカップに出場します。そして残りの0.5枠は、まずグループ3位同士が対戦するプレーオフを実施し、勝ったほうがさらに大陸間プレーオフで南米予選5位と対戦し、最後の枠を取り合う仕組みになっていました。
■南米
南米の出場枠も4.5枠です。こちらはCONMEBOLに加盟する10ヶ国が総当たり戦で競い、上位4チームがワールドカップに出場決定。5位はアジア枠で前述したように、アジア予選3位同士の勝ったほうと競いました。
カタール大会の予選ではアジア枠のオーストラリアと、南米5位のペルーが争いました。その結果、オーストラリアが勝利したため、南米は最終的に4枠の出場となっています。
■北中米カリブ海
北中米カリブ海の出場枠は3.5枠です。2次予選を突破した8チームによる総当たり戦を行い、上位3チームが出場。4位となったコスタリカは、オセアニア代表と大陸間プレーオフを実施し、勝利して出場を決めています。
■アフリカ
アフリカには、5枠が与えられています。最終予選の10チームが5グループに分かれて戦い、勝った5チームの出場が決定しました。
■オセアニア
オセアニアサッカー連盟は自動出場権を持たず、枠数としては0.5枠となっています。カタール大会オセアニア予選の1位はニュージーランドでしたが、北中米カリブ海の4位コスタリカに負けたため、オセアニアからの出場チームはありません。
オセアニアが単独で予選をするようになってから、これまでは必ず大陸間プレーオフを勝ち上がらないと、オセアニアの国はワールドカップに出られませんでした。しかし2026年は枠数が増えたことによって、オセアニアへ1枠が与えられています。
開催国なのにグループリーグ予選敗退した国はある?
ワールドカップには「開催国は決勝トーナメントに出場する」というジンクスがありました。しかし2010年の南アフリカ大会で、開催国の南アフリカが予選の1次リーグを敗退しています。またワールドカップ2022においても、開催国のカタールの敗退が確定。史上2例目となりました。
開催国は「初戦で負けない」というジンクス
ワールドカップでは「開催国は初戦で負けない」というジンクスもあります。1930年の第1回ウルグアイ大会から2018年のロシア大会まで、この法則は続いています。前述した2010年、南アフリカ大会での南アフリカも予選は敗退しましたが、初戦はメキシコと引き分けたので、このジンクスは未だに破られていませんでした。
しかしワールドカップ2022において、大会の第一試合となるカタールvsエクアドル戦にて、0-2で開催国のカタール代表が敗北。長く続いたジンクスが破られることとなりました。
このほかにも「前年にバロンドール(年間最優秀選手賞)を受賞した選手がいるチームはワールドカップで優勝できない(2022年、リオネル・メッシ選手を擁するアルゼンチンが優勝し打破)」「前回優勝国は予選リーグを突破できない(例外はあるものの2018年大会はドイツ代表が敗退、2014年大会はスペイン代表が敗退など。ワールドカップ2022では前回優勝国フランスが決勝進出を確定)」「優勝国は監督が自国出身(現時点で全ての優勝国は自国籍の監督が率いている)」といった、さまざまなジンクスが存在します。
ワールドカップ開催国で優勝した国はある?
開催国となった年にワールドカップで優勝した国は、ウルグアイ・イタリア・イングランド・西ドイツ・アルゼンチン・フランスの6ヶ国です。通算優勝回数の最多は、ブラジルの5回。次いでイタリア・ドイツが4回、ウルグアイ・アルゼンチン・フランスが2回、イングランド・スペインが1回です。アジアの優勝はまだありません。
まとめ
ワールドカップにおける、開催国や都市に関する情報をまとめました。ワールドカップ2022カタール大会は、ドーハ、アルホール、アル・ワクラ、アル・ラーヤン、ルサイルの5都市で開催されました。
2026年大会は、アメリカ・カナダ・メキシコのワールドカップ史上初3ヶ国共同開催となり、出場枠が48枠へ増えることが決定済です。これまで0.5枠しかなく、自動出場権を持たなかったオセアニアも1枠が与えられることとなりました。
2030年は、第1回ウルグアイ大会から100回記念となるため、南米のウルグアイ、アルゼンチン、パラグアイ、チリが共同開催の招致を決定し、有力な候補となっています。さらに、2034年は、インドネシアなど東南アジア諸国が共同開催で招致活動を進めていて、アジアでのワールドカップ開催に期待が寄せられています。