ワールドカップ・カタール大会に臨む日本代表メンバーが11月1日に発表され、川崎からはDF谷口彰悟とDF山根視来が選出された。発表後、2人は川崎市内のクラブハウスで記者会見に臨んだ。

 トレーニングルームでその瞬間に立ち会った谷口は「会見が始まった時はドキドキして、これまでに感じたことないような感情が出てきていた。実際に名前を呼んでいただいた時はすごく嬉しかったし、ほっとした」と笑みを浮かべた。

 DF吉田麻也とDF冨安健洋が不在だった今年1、2月のアジア最終予選で2試合連続の完封勝利に導くなど、W杯切符獲得に貢献。7月に国内組で臨んだE-1選手権では、森保一監督からキャプテンも任された。

 ただ、17年以降は代表から遠ざかり、苦しんだ時期もあった。「代表はいいや、と諦めていてもおかしくなかった。それでも諦めきれないのが代表という存在で、ワールドカップという存在。その時期があったからまた今がある」。自身の歩みを感慨深く振り返り、「夢を持ちながら頑張ってきた自分にも“おめでとう”と言いたい」と話した。

 一方、山根は「夢に見ていた舞台。嬉しさと、ほっとする気持ちと、もっとやらなければいけないという思いがずっと心の中で絡み合っている」と吐露。「あんまり昨日も眠れなかった」と初めて不眠になるほど緊張していたことを明かした。
 
 東京Vジュニアユースからユースに上がれず、茨城のウィザス高(現・第一学院)に進学。東日本大震災の被災を機に地元の神奈川に戻り、桐蔭横浜大時代は天皇杯の湘南戦でゴールを決めるなど気を吐いて練習参加をつかみ取った。湘南時代のアタッカーからDFへのコンバートなど、能力を開花させる転機にも恵まれてきた。

「僕のサッカー人生は巡り合わせやタイミングがすごく良かった部分が多くて、自分だけだと正直、今サッカーをやっているか分からないところからのプロキャリアのスタートだった。そういう人たちのおかげ」と転機に寄り添ってくれた人たちに感謝した。

 湘南時代の曺貴裁監督や川崎の鬼木達監督とともに口にしたのは、チームメートのMF家長昭博の名前。「前にあの人がいてくれることで、自分の良さがどれだけ活かされたか、正直数え切れない。それだけ僕の中では同じタイミングで同じチームでサッカーができたことは運が良かった」とうなずいた。

取材・文●波多野詩菜(スポーツニッポン新聞社)

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