カタール・ワールドカップに臨む日本代表のメンバー26人が発表された。ここからはレギュラー争いという新たなバトルが始まる。ベスト8以上を目ざす森保ジャパンの理想の11人は? 本稿では東京新聞の唐沢裕亮記者に、推奨スタメンをセレクトしてもらった。
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速さで圧をかける。大迫勇也が選外となったことでより狙いは明確になった。「縦に速く」を体現する最前線の軸は必然的に前田大然となる。
前線からプレスを掛ける「攻撃的な守備」を先導し、驚異的な速さで相手守備陣に心理的なプレッシャーを与えてミスを誘発できればしめたものだ。
中3日となるワールドカップのグループステージでは「ターンオーバー」も考えたい。布陣は、遠藤航、守田英正、田中碧への依存度が高い従来の4-3-3より、ポジションごとに入れ替えがしやすい4-2-3-1に。
何より、トップ下があることで、今や代表の攻撃の核である鎌田大地を最大限、活かせる。左サイドでは居心地が悪そうな南野拓実も鎌田のバックアッパーとして活用できる。
一人で流れを変えうる三笘薫は、どうしても得点が欲しい時の切り札で、毎試合使うことを考えてあえてベンチに置く。2列目の左は久保建英で右は伊東純也。
ダブルボランチは遠藤航と守田英正のコンビ。守田にはつなぐだけでなく、スポルティングで見せているような3列目からの飛び出しにも期待したい。右ふくらはぎのコンディションは気になるが、替えはきかない。
世界との戦いを意識すれば、ディフェンスラインの高さは無視できない。W杯では攻守のセットプレーが結果の鍵を握る。過去のW杯でも粘り強い対人守備で力を発揮してきた長友佑都の存在は精神的支柱としても大きいが、左SBには188センチの伊藤洋輝を推したい。武器のロングフィードで前線の速さをより活かせる。
左の伊藤から対角の長尺パスで右の伊東へチャンスメーク、というシーンが見てみたい。展開次第で試合中に4バックから3バックへの布陣変更も想定されるなか、3バックの左ができるのもプラスだ。
GKは、高さと9月のドイツ遠征からの勢いを買ってシュミット・ダニエル。代表での経験は権田修一に分があるが、PKストップで敗戦の危機から救ったエクアドル戦のインパクトは強い。「良い流れ」に懸けてみたい。
取材・文●唐沢裕亮(東京新聞)
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