問題なく適応している
11月から開催されるワールドカップ・カタール大会に出場する日本代表。グループステージではドイツ代表、コスタリカ代表、スペイン代表と戦うことになっている。難しいグループに入ったが、今大会で念願のベスト8進出なるか。
サムライブルーの中での注目選手はブライトンの三笘薫だろう。川崎フロンターレで素晴らしい数字を残し、昨季はベルギーのロイヤル・ユニオン・サン・ジロワーズでも輝きを放った。しかも慣れないウイングバックというポジションだったが、7ゴール3アシストと二桁得点に関与している。
昨季は保有元のブライトンからベルギーにローン移籍しており、今季はプレミアリーグに戻ってきている。ブライトンはシーズン途中での監督交代など難しい問題に直面しているが、それでもプレミア第14節チェルシー戦ではBIG6相手に4-1と快勝。三笘もアシストを記録するなど、イングランドでも三笘の攻撃性能の高さは健在だ。
英『The Athletic』では三笘をW杯で注目すべき選手として取り上げている。同メディアが主張している三笘の強みは「適応の速さ」と「飽くなき向上心」だ。
これはベルギー挑戦がいい例だろう。ベルギーでは川崎時代の攻撃的な左ウイングではなく、左WBとして出場機会を得ている。WBとなれば守備時の強度が求められることになり、不安要素でもあったが、問題なくWBとしてプレイしており、試合を重ねるごとに守備強度を高めている。現代サッカーのトレンドではFWの献身的な守備が必須であり、ベルギー挑戦は三笘にとっていい経験になったに違いない。
「練習の激しさ、ボールの奪い合い、試合中の緊迫した雰囲気、激しいライバル意識など、選手もファンも全員が命を懸けてプレイしているような感じがしてヨーロッパに来る前とは違った感覚です」
三笘は日本と欧州の違いについて語っている。このコメントから伝わってくるのは激しさであり、それが今の三笘の成長につながっているのだろう。
「ブライトンにとっても、日本にとっても三笘はまだまだ成長の余地がある」
同メディアは三笘に大きな期待を寄せ、この特集を締めくくっている。25歳と若手といえる年齢ではないが、プロでプレイした期間はそれほど長くない。それでも成長速度は物凄く早く、ここからどのような選手になるのか楽しみだ。