サッカー日本代表の森保一監督は4日、視察先の欧州から帰国して成田空港で報道陣の取材に応じた。

 アメリカ合衆国代表やエクアドル代表と対戦した9月シリーズは30人を招集した日本代表。カタールワールドカップ出場メンバーの26人より多くの選手たちでチームを組んで活動したが、それでも招集できなかった選手もいた。

 直前に負傷したDF板倉滉やFW浅野拓磨は、ワールドカップ出場メンバー発表前最後の日本代表活動に参加できなかった。前者は左ひざ内側側副靭帯の部分断裂、後者は右ひざ内側側副靭帯断裂と、ともに重傷を負ってしまった。

 カタールワールドカップ出場も危ぶまれる大怪我だが、11月までに回復は間に合うのだろうか。森保監督は、2人のクラブでの治療やリハビリに「我々のスタッフも加わっている」と明かした。そして「彼らの状況は逐一(情報が)くるようになっています」と、常に情報交換を続けているという。

「まだ確定できるようなところではないと思いますけど、ワールドカップまでには復帰できるだろうということは聞いています」

 板倉も浅野も、夢の舞台に立つために努力を続けている。カタールワールドカップに出場する日本代表メンバーはグループステージ初戦の約3週間前、11月1日に予定されている。もしその時点で実戦復帰を果たせていなくても、2人を招集する可能性はあるのだろうか。

 森保監督は「できればリーグ戦でプレーできているところが見られているのがベストかなと思います」と述べつつ、次のような考えを明かした。

「(所属クラブでの試合に出場できていなくても)プレーできるということが確認できれば、(カタールワールドカップ)本大会に招集する可能性がある言わせていただければなと思います」

 ワールドカップ開幕直前の11月17日にはカナダ代表との最終テストマッチも組まれている。グループステージ初戦の前にそうした実戦の機会もあるため、森保監督は仮に復帰が大会直前までずれ込んだとしても、ぶっつけ本番で板倉と浅野の招集に踏み切る可能性を示唆した。

 また、今月1日に行われたブンデスリーガ第8節のヴォルフスブルク戦で右足を痛めて負傷交代となったシュトゥットガルトのMF遠藤航の状態も心配されるところ。しかし、森保監督は「長期の離脱ではない。復帰のメドまでは聞いていないですけど、比較的早く(復帰)できると聞いています」と明かした。

 日本代表の中盤に不可欠な柱の遠藤が軽傷だったのは、不幸中の幸い。指揮官にとってもひと安心だろう。カタールワールドカップ開幕まで約1ヶ月半、これからさらに負傷者が増えないことを祈るばかりだ。

(取材・文:舩木渉)

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