1998年から2015年にかけて国際サッカー連盟(FIFA)の会長を務めたゼップ・ブラッター氏が、開幕まで2週間を切ったFIFAワールドカップカタール2022に言及した。8日に『ロイター通信』などがコメントを伝えた。

 2022年のW杯招致活動はブラッター前会長の在任中に行われ、2010年にカタールがアメリカを得票数で上回って中東初の開催権を手に入れた。ただ、招致活動における不正疑惑、スタジアムに関する移民労働者の人権問題、LGBTQ+コミュニティに排他的な文化、欧州のシーズン真っ只中となる開催時期など、カタールW杯開催の是非をめぐる議論が止むことはない。今月20日に開幕を控えているが、ドイツを中心に、多くの国がいまだに大会開催への懸念を表明している。

 そんななか、ブラッター前会長はスイス紙『ターゲス・アンツァイガー』のインタビューに応じ、「カタールは間違った選択だった。そして、当時の会長だった私に責任がある」とコメント。理由については、「サッカーを、W杯をやるには、あの国は小さすぎる」と説明した。カタールは過去のW杯開催国に比べて最も国土面積が狭く、主要空港の受け入れ態勢不備など、交通面での問題点も指摘されている。

 また、ブラッター前会長は2012年にFIFAが開催国選定に用いる基準を修正したことで「それ以来、社会的な配慮や人権が考慮されるようになった」とも述べた。大会はスイスの自宅からTV観戦することなども明かしている。