進化する得点力
日本代表は23日、ワールドカップ・カタール大会初戦でドイツ代表と対戦する。優勝するだけの力を備えているドイツは出場選手全員が危険極まりないのだが、その中でも特に要注意なのがバイエルンMFジャマール・ムシアラだ。
19歳のムシアラは、もはや期待の若手なんて言葉に収まるレベルではない。今季ブンデスリーガではライプツィヒFWクリストファー・エンクンク、ブレーメンFWニクラス・フュルクルクに次いで得点ランク3位となる9ゴールを奪っている。2列目を主戦場としながら、ゴールゲッターの顔も持っているのが特長的だ。
先日6-1で大勝したブレーメン戦でも前半5分に電光石火の先制点を奪っているが、それもペナルティエリアで冷静にキックフェイントを入れて相手をかわしてから決めた一撃だった。19歳の若者があそこで慌ててシュートを打たず、冷静にかわしてシュートコースを作ってくるところが恐ろしい。
昨季のムシアラはブンデスリーガ30試合で5ゴール5アシストの成績だったが、今季は13試合消化時点で9ゴール4アシストを記録。すでに昨季の得点数は上回っており、この1年で大きく進化している。本人も得点力には手応えを感じているようで、得点を奪えるポジションに顔を出せるようになったと語っている。
「改善すべき点があるとはいえ、今季のパフォーマンスには満足している。昨季より攻撃的なポジションでプレイしていて、今では自分が満足できるポジションを見つけた気分だよ。フィニッシュには自信があったけど、より効率を上げられるようハードワークしている。トレーニングの後にもアシスタントコーチとフィニッシュの部分に取り組んでいる。今はゴールを奪えるポジションにいる機会が増えたね」(独『Kicker』より)。
この調子なら日本戦で先発してくる可能性が高く、ドイツの中で最も危険なアタッカーとなるかもしれない。シュート感覚、1対1を制するテクニックなど19歳にして完成されてきているが、日本の守備陣は驚異のヤングスターを止められるか。