プレミアリーグ第16節が12日に行われ、アーセナルとウルヴァーハンプトン(ウルブス)が対戦した。

 ここまでプレミアリーグでの成績が11勝1分1敗で、首位を走るアーセナル。直前に行われた試合では2位につけているマンチェスター・Cがブレントフォードに1-2で敗れたため、勝てば勝ち点差を広げてFIFAワールドカップカタール2022に突入できる。一方、開幕から調子の上がらないウルブスは2勝4分8敗で最下位に沈んでおり、10月2日にはブルーノ・ラージ前監督の解任が発表された。中断明けからはフレン・ロペテギ監督が指揮を執ることが決まっており、アーセナルとの一戦はスティーヴ・デイヴィス暫定監督が率いる最終戦となる。

 アーセナルは1-0で勝利した前節のチェルシー戦と同じ11名がスターティングメンバーに並んだ。右太もも負傷中の冨安健洋はメンバー外に。アーセナルは「大会には参加できるはずです」と発表しているものの、ワールドカップ前にアーセナルのピッチに戻ってくることはできなかった。一方、ウルブスは2-3で敗れた前節ブライトン戦から先発2名を入れ替え。トティ・ゴメスが5試合ぶりに出場し、アダマ・トラオレもスタメンに復帰した。

 試合は序盤からアーセナルが主導権を握る。6分、左サイドでボールを持ったガブリエウ・マルティネッリが左サイドから切り込み、中央へとクロスボールを供給。ペナルティエリア内でフリーになっていたガブリエウ・ジェズスが巧みなトラップからゴールネットを揺らす。FIFAワールドカップカタール2022に臨むブラジル代表メンバーに揃って選出された2人が先制点をもたらしたかに思えたが、ジェズスのポジションがオフサイドだったため、ゴールは認められなかった。

 対するウルブスはA・トラオレ、ゴンサロ・グエデスのスピードを活かしたカウンターでゴールに迫る場面を作ったものの、決定機を作り出すまでには至らない。好調のアーセナルがより多くのチャンスを作り、36分には中央を持ち運んだブカヨ・サカのスルーパスから、ジェズスがボックス左で右足を振り抜いたものの、シュートはクロスバーに当たってゴールを外れた。前半はスコアレスで終了している。

 後半に入るとアーセナルが試合を動かす。54分、左サイドに開いてボールを受けたジェズスが、カットインからペナルティエリア左のスペースにスルーパスを供給。途中出場のファビオ・ヴィエイラが抜け出し、GKを引き付けて中央へ折り返すと、キャプテンマークを巻くマルティン・ウーデゴーアが無人のゴールに押し込んだ。アーセナルが先制に成功した。

 その後もアーセナルが攻撃する時間が多くなり、75分には大きな追加点が生まれる。左サイド高い位置でマルティネッリがボールを奪うと、カットインからのヒールパスで大外を駆け上がってきたオレクサンドル・ジンチェンコを使う。深い位置まで切り込んで中央へ折り返すと、DFに当たったルーズボールをマルティネッリがシュート。この一撃はGKジョゼ・サに阻まれたものの、こぼれ球を拾ったウーデゴーアがワントラップから左足で沈め、アーセナルが試合を決定付けた。

 試合はこのままタイムアップを迎えた。アーセナルはミッドウィーク開催のカラバオ・カップこそブライトン相手に敗れたものの、プレミアリーグでは3連勝を記録。2位マンチェスター・Cとの勝ち点差を「5」に広げた。一方、ウルブスは直近のリーグ5試合で1分4敗と勝ち星から見放されることに。ロペテギ体制となった中断明けからの巻き返しを狙う。

 プレミアリーグはここから、FIFAワールドカップカタール2022開催に伴う中断期間に突入。次節は中断明けの開催となり、アーセナルは27日にウェストハムをホームに迎える。一方、ウルブスも同じく27日、敵地でエヴァートンと対戦予定だ。

【スコア】
ウルヴァーハンプトン 0-2 アーセナル

【得点者】
0-1 54分 マルティン・ウーデゴーア(アーセナル)
0-2 75分 マルティン・ウーデゴーア(アーセナル)