創造性は不足気味だ

最終ライン、前線のメンバー構成はさすが前回王者と呼ぶべきものだが、フランス代表の中盤をどう評価すべきだろうか。

痛手となったのはポール・ポグバとエンゴロ・カンテの離脱だ。4年前の優勝を知る2人が揃ってワールドカップメンバーから外れることになり、今回代表監督のディディエ・デシャンが選んだMF陣は経験の浅いフレッシュな構成となっている。

選ばれたMFのうち、代表キャップ数が2桁に達しているのはレアル・マドリードMFオーレリアン・チュアメニ(14試合)、ユヴェントスMFアドリエン・ラビオ(29試合)の2人のみ。

今年9月に代表デビューしたばかりで、2試合しか経験していないモナコMFユセフ・フォファナ(22)、今月10日に20歳を迎えたばかりのレアル・マドリードMFエドゥアルド・カマヴィンガ、マルセイユでの活躍で評価を再び上昇させたマッテオ・グエンドウジ(23)、そしてサプライズ招集とも言われた29歳のマルセイユMFジョルダン・ヴェレトゥ、こちらは昨年11月のフィンランド戦に4分間出場して以降は代表に選ばれてこなかった選手である。

この6名が今回デシャンがMF枠として選んだ選手たちだ。若手が多いこともそうだが、やや創造性に欠ける印象もある。

そのぶん攻撃陣は豪華だが、彼らだけで違いを生み出せるのかどうか。デシャンが取り組んできた3バックを軸とし、中盤にはフィルター役となれる守備的な選手を配置するプランもある。超攻撃的なテオ・エルナンデスを左ウイングバックに押し上げることで、攻撃のオプションも増える。

ネーションズリーグでは一部機能していないところもあった3バックだが、デシャンは手薄な印象もあるMF陣をどう活かしてくるのか。中盤に関してはそこまで豪華というわけでもなく、ポグバとカンテの穴を埋めていけるか不安もある。