ワールドカップ決勝の舞台で激突するアルゼンチンとフランス。
35歳になったリオネル・メッシの市場価値は、『Transfermarkt』で、5000万ユーロ(72億円)に設定されている。ここでは、メッシ以上の市場価値を持つフランス選手たちを取り上げてみよう。
22番:テオ・エルナンデス
市場価値:5500万ユーロ(80億円)、ミラン所属の25歳左サイドバック。
マルセイユ生まれながら、10歳から兄リュカとともにスペインで育成され、その兄とともにW杯出場を叶えた。
兄はデシャン監督に重用されてきたが、テオが代表デビューしたのは2021年9月のこと。そのため、一時はスペイン代表への鞍替えも検討していたほど。
兄は守備能力に優れるが、弟はアタッキングセンスに溢れるタイプ。昨年には時速35.09キロを記録したほどの圧倒的スピードも持ち、攻撃性能では世界最高レベルの左サイドバックだ。
今大会では初戦先発起用された兄が靭帯損傷の大ケガを負ってしまい、交代で投入されたテオがその左SBのポジションで起用され続けている。
5番:ジュール・クンデ
市場価値:6000万ユーロ(87億円)、バルセロナ所属の24歳DF。
身長は180cmほどながら圧倒的な身体能力、足元のテクニック、試合を読む力を兼ね備えている。
身体能力任せの粗い守備でカードが多いということもなく、現代の新しいセンターバック像をさらに更新しそうな存在。
また、足元の技術があり、ビルドアップ、さらにはドリブルでオーバーラップを仕掛けていき前線まで上がっていくことも多い。そのため、若い頃からサイドバックとしても起用されており、今大会でも右SBとして起用されている。
個性的なファッションセンスをしており、日本のブランドも愛用している。
11番:ウスマヌ・デンベレ
市場価値:6000万ユーロ(87億円)、バルセロナ所属の25歳FW。
現役屈指の両利きといえる超高速ドリブラー。ずば抜けたスピードとボールテクニックだけでなく、どちらの足も使えるため、相手DFにとっては悪夢のような選手だ。
ドルトムント時代にともにプレーした香川真司もその才能に驚愕したという。
2017年には20歳の若さながら、1.4億ユーロ(202億円)もの移籍金でバルサに引き抜かれた。怪我や規律違反が多かったため批判に晒されることが多かったが、最近は成熟しつつある。
なお、2018年大会にも出場しているが、まだW杯の舞台でゴールを決めたことはない。
20番:キングスレイ・コマン
市場価値:6000万ユーロ(87億円)、バイエルン・ミュンヘン所属の26歳FW。
圧巻のスピードとしなやかさを備えたドリブラーだ。2019年には当時のブンデスリーガ最速スピードとなる時速35.66キロを叩き出した。
バイエルンのCEOオリヴァー・カーンも「この数年、継続的に成長してきたことをうれしく思う。絶対的なワールドクラスであり、技術的にはスピードがあり、最高のドリブラーのひとり。常に脅威になる」と評価している。
2018年W杯は足首負傷の影響で欠場。とても悲しかったとしつつ、大会期間中に現在の夫人と出会ったそうで、「W杯に出場しなくてよかったとさえ思っているよ」とも述べている。
8番:オーレリアン・チュアメニ
市場価値:8000万ユーロ(116億円)、レアル・マドリー所属の22歳MF。
名門モナコが輩出した“最新作”といえる新星。187cmの長身ボランチで、この夏にレアルがモナコから8000万ユーロで獲得した。
エンゴロ・カンテとポール・ポグバのMF2人を欠いた今大会のフランスを救った新星だ。ここまで全試合に先発出場しており、パス数と走行距離はチーム1位を記録している。
卓越したフィジカルを誇り、守備だけでなく、攻撃能力も高い。空中戦とタックルに優れ、チームのポゼッションを高めるとともに中盤を制圧する。
また、この年齢ながらも試合を読む能力にも長け、インターセプトやポジショニング、タイミングも心得ている。ファウルをせずにタックルする技術を持つ他、ドリブルで持ち上がって巧みなパスを味方につける能力も完備。困難な状況な場合にはファウルをもらう賢さもあるなどまさに大器といえる存在だ。
海外では、スタッツ的には日本代表MF遠藤航と似ているとも評価されているが、チュアメニはよりフィジカルに優れている。
10番:キリアン・エムバペ
市場価値:1.6億ユーロ(231億円)、PSG所属の23歳FW。
世界最高のスピードと無慈悲なフィニッシュを併せ持つ規格外のストライカー。
現時点で彼以上に市場価値が高い選手は、1.7億ユーロ(246億円)のマンチェスター・シティFWアーリン・ホ―ランしかいない。
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10代で出場した前回大会のW杯では4ゴールを叩き出し、20年ぶりの優勝に大貢献。絶対的エースとして参戦した今大会でも5ゴールを叩き出しており、W杯での通算得点数は9に到達している。
W杯歴代1位の得点数はミロスラフ・クローゼの16得点だが、それを超える可能性は多いにあるはず(メッシは通算11得点、クリスティアーノ・ロナウドは8点)。