偉大な選手と偉大な監督は、互いをよく知り、認め合っている。
レアル・マドリーを率いて昨季のチャンピオンズリーグを制し、史上最多となる4度目の欧州制覇を果たしたカルロ・アンチェロッティ監督が、母国イタリアのテレビ『Rai』の番組に出演した。その中で、パリ・サンジェルマンで指導した現ミランのズラタン・イブラヒモビッチが賛辞を寄せている。
『Corriere dello Sport』紙によると、イブラヒモビッチは「あなたはナンバーワンだ。あなたが監督だったことは自分にとって大きな幸運だった。ただ、監督としてあなたも選手の自分を指揮して幸運だったとね」と、らしさ全開の表現でアンチェロッティを称賛した。
「でも、特に幸運だったのは、あなたという人に出会えたことだ。監督として以前に人としてさらに素晴らしい。あなたのことが大好きだよ。でも、もう、『リッチなんだから金を貸せ』と言わないでくれ。今じゃあなたもそうなんだから」
これに対し、アンチェロッティは「このごう慢さの仮面の後ろには、偉大なプロフェッショナルがいる。利他的な素晴らしい人がいる」と、教え子を激賞した。
「ズラタンは自分が指導した中で、得点するよりアシストにより喜びを感じる数少ないひとりだった。パリではそうだった。偉大な選手であり、素晴らしい人物だ」
イブラヒモビッチは41歳になった今も現役を続け、現在は負傷からの復帰を目指している。63歳のアンチェロッティも、指揮を執ることへの情熱に変わりはないようだ。アンチェロッティは「今のところ、おじいちゃんをやることに関心はない。まだ仕事が大好きなんだ」と話した。
「毎回、試合の前には身体の調子が悪くなり、汗が増えて心拍が上がるけどね。1200試合をベンチで過ごしても、毎回そうなるんだ。でも、試合が始まるとすべてなくなる。それに以前はチームがゴールを決めたら喜べたしね。今はVARのチェックを待たなければいけないが…」
今でも意欲あふれるレジェンドたちが、今後も魅力的なサッカーを見せてくれるのが楽しみだ。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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