サッカー日本代表は15日、カタールワールドカップに向けて開催地ドーハで練習を行った。
チームに不可欠な選手の1人であるMF遠藤航は、17日に行われるカナダ代表戦を欠場することが確実になった。日本代表に合流したものの、今月8日に行われたヘルタ・ベルリン戦で相手選手と激しくぶつかり、病院に搬送されて一晩入院。検査によって脳しんとうと診断された。
カタール入りも遅れ、現地での初めての練習となった15日は、グラウンドに出ている姿を見ることができなかった。脳しんとうには段階を踏んで復帰するための特別なプログラムが設定されており、遠藤はまだその途中にいる。
また、カナダ戦が行われるUAEのドバイにも帯同しないことが決まった。遠藤は「試合は出られないので、わざわざ飛行機に乗る必要はない。こっち(カタール)に残ります」と、来たる23日のカタールワールドカップ初戦に照準を合わせてコンディション調整に励む方針であることを明かしている。
「今日もちょっと走っただけで、それくらいだったら問題ない。まだ頭を使ったバランスのリハビリみたいなものをやると、めまいまではいかないですけど、フワッとする感じはします。それはまた明日と明後日、ちょっとずつやっていって、良くなっていけば」
復帰に向けたプロセスは確実に進んでいる。もうすぐボールを蹴るメニューも再開する予定だという。むしろ脳しんとうによる休養が身体のフレッシュさを取り戻すために重要だったとも考えているようだ。遠藤は「こうなってしまったので、意外としっかり休めた。ちょっとずつできる時間の中で準備をしていくだけ。そんなにネガティブにはなっていない」と語る。
「こに来られて嬉しいし、ここに来ればもうある程度、ワールドカップのスイッチは勝手に入っていく。これからサッカーをして、練習していけばコンディション的には問題ないでしょうし、スイッチは少しずつ入っていくと思います」
ワールドカップ前最後のテストマッチを欠場することで、23日のドイツ代表戦がぶっつけ本番になる。それでも今は無理をせず着実にリハビリを進めていくことが重要だ。完全復活した遠藤がカタールの地で躍動することを期待したい。
(取材・文:舩木渉)
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