カナダ戦では権田がピッチに立った

アジア最終予選から日本代表の正守護神は権田修一が務めており、今後も彼が森保ジャパンのゴールマウスを守っていくものだと思われていた。

しかし6月のテストゲームからシュミット・ダニエルが権田に代わってピッチに立つ回数が増えており、9月のアメリカ戦とエクアドル戦はそれぞれ1試合ずつ担当している。

9月の2試合でアピールに成功したのはシュミットで、得意のパントキックやパスから攻撃を活性化させている。セービングも安定しており、極めつけはエクアドル戦のPKストップだ。終盤に日本代表がPKを献上することになったが、しっかりとシュミットがコースを読み、シュートを防いだ。

それでもカナダ戦の先発は権田であり、森保一監督からの信頼が厚いのだろう。

ただカナダ戦の権田のパフォーマンスは安心して見られるものではなかった。とくにセットプレイ時の対応だ。日本代表はこの日8回のコーナーキックを相手に与えており、その中から失点を喫している。ニアサイド、ファーサイドと狙いを変えてくるカナダ代表の攻撃を止めることはできなかった。権田にはクリアやキャッチでハイボールを処理して欲しかったが、思うようにボールをボックス外にはじき出せず失点を許している。W杯のグループステージではハイボールへの対応の悪さを突かれることになるだろう。

197cmと長身のシュミットであればこのハイボール攻撃に抗うことができる。長い手足を武器にハイボールを安全に処理することができ、昨季シント・トロイデンではクロス対応の際に17回のパンチングと30回のキャッチを記録している。どちらもリーグトップ5に入る好成績であり、2m近い長身は武器となる。

味方との連携面でいえば権田に分があるのかもしれないが、カナダ戦では空中戦で弱さを露呈している。権田も187cmと小さい選手ではないが、セットプレイがより重要となるゲームではシュミットを先発にすべきだといえる(データは『SofaScore』より)。