サッカー選手であれば誰かしら目標とする選手はいるはずだが
現在プレミアリーグで首位に立つアーセナル。ここ数年は低調なパフォーマンスに終始しており、2季連続でリーグ8位フィニッシュしてしまう難しい時期もあった。
それでも今季アーセナルが首位に立てているのは、的確な補強が大きい。とくに最終ラインは様変わりしており、ベン・ホワイト、冨安健洋、オレクサンドル・ジンチェンコ、アーロン・ラムズデールが、昨季もしくは今夏の移籍市場で獲得された選手である。守備強度、ビルドアップでの貢献度が格段に上がっており、後方からチームを支える。
ホワイトは昨季の夏の移籍市場でアーセナルにやってきた。ブライトンでプロとなり、その後は4部相当のリーグも経験している。レンタル先で実力を示し、2021年アーセナルにやってきた。
アーセナルはこのホワイトを5000万ポンドで獲得しており、当時は批判も多かった。判断材料となりそうなこれまでの経験を見ると、ビッグクラブでプレイしておらず、イングランドのトップカテゴリーであるプレミアリーグでの出場数も少ない。イングランド代表に定着しているわけでもないため、批判はしやすかった。
ホワイトはこの批判を素晴らしいパフォーマンスで跳ね返した。昨季は主にセンターバックとしてプレイし、高い守備強度とビルドアップでの貢献度でチームを支えた。今季は冨安の代わりに右サイドバックとして起用されており、さらに評価を上げている。冨安が複数のポジションでプレイする便利屋になったのもこのホワイトの存在が大きい。
「一日中トレーニングをして、サッカーについて4、5回ミーティングをした後に、90分の試合を見るなんて僕が一番やりたくないことだ」
英『The Guardian』はイングランド代表としてワールドカップ・カタール大会に出場するホワイトにインタビューを行っており、そこでホワイトはプライベートでサッカーを見ることはないと明かしている。
プロサッカー選手は毎日サッカー漬けの生活を送っていると思われがちだが、ホワイトはそうではないようだ。幼少期は家でサッカーを見る機会もなく、両親も興味がないという。そのためW杯の思い出についても「特に印象に残っているものはない」と語っている。
それでもトッププレイヤーに上り詰めているのだからホワイトは凄い。ミケル・アルテタが求める賢い選手であり、CB、右SB共に評価が高い。イングランド代表にも選ばれており、インタビューで話しているトレーニングやミーティングの限られた時間の中で成長しているのだろう。