FIFAワールドカップカタール2022・グループA第1節が20日に行われ、カタール代表とエクアドル代表が対戦した。
4年に1度のサッカーの祭典、FIFAワールドカップの幕が上がる。開幕戦は、開催国のカタール代表と、南米予選を4位で勝ち抜いたエクアドル代表の対戦カードとなった。カタール代表は国家単位で強化に注力し、2019年には7戦全勝と圧倒的な力でAFCアジアカップを制した。“アジア王者”として、初めてのワールドカップに臨む。一方、エクアドル代表は2大会ぶり4度目の出場。2006年に行われたドイツ大会ではベスト16入りを果たしていた。
全世界の注目が集まる一戦に向けて、カタール代表を率いるフェリックス・サンチェス監督は、“エース”のアルモエズ・アリやハサン・アル・ハイドスらをスターティングメンバーとして送り出した。一方、エクアドル代表のグスタボ・アルファロ監督はペルビス・エストゥピニャン、モイセス・カイセド、エネル・バレンシアらを先発に選んでいる。
試合は開始早々に動く。3分、エクアドル代表は敵陣高い位置でフリーキックを獲得する。中央へクロスボールを送ると、GKサード・アル・シーブが飛び出してきたところから、ペナルティエリア内で混戦に。このボールをフェリックス・トーレスがボレーで繋ぐと、最後はキャプテンのバレンシアがヘディングシュートを沈めた。エクアドル代表が早々に先制に成功したかに思えたが、競り合いの後にミチャエル・エストラーダがボールを触ったポジションがオフサイドだったため、得点は認められなかった。
その後もエクアドル代表のペースで試合が進むと、15分には再び決定機を作り出す。自陣でボールを奪ったところから、敵陣ライン間のスペースにポジションを取っていたエストラーダを使うと、ゴール前のスペースにスルーパスを供給。抜け出したバレンシアがGKアル・シーブをかわそうとすると、倒されてPKを獲得した。PKキッカーを務めるのはバレンシア。GKアル・シーブの逆を取る一撃を沈め、エクアドル代表が先手を取った。
カタール代表はなかなかボールを保持することができず、シュートまで持ち込めない。すると31分、エクアドル代表が再び反撃。カタール代表のスローインからボールを奪ったカイセドが中央からドリブルで持ち運び、右サイドまで突き進む。マイナスへの落としを受けたアンヘロ・プレシアードがクロスボールを送ると、ファーサイドでフリーになったバレンシアが強烈なヘディングシュートを叩き込んだ。エクアドル代表がリードを広げている。
エクアドル代表が2点をリードでして迎えた後半、カタール代表は敵陣でボールを持たれた時は積極的にハイプレスに出る。徐々にボールを握ることのできる時間帯も増えたものの、なかなかチャンスを作り出すことができない。対するエクアドル代表は76分、前半から痛めたヒザを気にする素振りを見せていたバレンシアが途中交代に。大事を取る意味もあり、“エース”を下げた。
ワールドカップ初ゴールを目指すカタール代表は86分、背後からのロングフィード1本で、途中出場のモハメド・ムンタリがスペースに抜け出す。ペナルティエリア右付近から右足でボレーシュートを狙ったが、シュートはわずかにクロスバーを超えてしまった。
試合はこのままタイムアップ。“エース”が2得点の大活躍を見せたエクアドル代表が、今大会の開幕戦を白星で飾った。一方、カタール代表はワールドカップ開催国として初めて開幕戦で黒星を喫することに。これまでに共催を含めて計22チームがホスト国として大会に臨んできたが、初戦の結果は「16勝6分け0敗」で1度も負けていなかった。
次節は25日に行われ、カタール代表はセネガル代表と、エクアドル代表はオランダ代表と対戦する。
【スコア】
カタール代表 0-2 エクアドル代表
【得点者】
0-1 16分 エネル・バレンシア(PK/エクアドル代表)
0-2 31分 エネル・バレンシア(エクアドル代表)
【スターティングメンバー】
カタール代表(5-3-2)
GK:アル・シーブ
DF:ペドロ・ミゲル、アル・ラウィ、フーヒ、ハサン、アフメド
MF:アル・ハイドス(71分 ワード)、ブディアフ、ハテム
FW:アフィフ、アリ(71分 ムンタリ)
エクアドル代表(4-4-2)
GK:ガリンデス
DF:プレシアード、F・トーレス、インカピエ、エストゥピニャン
MF:プラタ、メンデス、カイセド(90分 フランコ)、イバーラ(68分 サルミエント)
FW:バレンシア(76分 シフエンテス)、エストラーダ(90分 K・ロドリゲス)