森保一監督率いる日本代表は、23日のFIFAワールドカップ・カタール大会グループリーグ初戦でドイツ代表と激突。W杯優勝候補との一戦でMF鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト)らの活躍が期待される中、ドイツメディアが森保ジャパンの弱点を指摘している。

 日本代表はカタールW杯のグループEでドイツ代表、コスタリカ代表、スペイン代表と同居。ベスト16入りは厳しいという声が上がる中、17日の強化試合・カナダ戦では後半アディショナルタイムにPKを決められて1-2と敗北。試合後にはFW浅野拓磨など状態面で万全でない選手を代表メンバーに選出した森保一監督の選考や、カナダ戦での起用法に対する批判が沸き起こっていた。

 また19日から全体トレーニングを再開。カナダ戦でメンバー外のMF三笘薫(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC)やMF遠藤航(VfBシュツットガルト)が姿を見せた一方、MF守田英正(スポルティングCP)が個別トレーニングでの調整に終始。ドイツ戦に向けて不安材料を抱えている。

 そんな中ドイツ紙『シュテルン』は20日、日本代表に関する特集記事を掲載。日本代表の強みについて「日本代表は伝統的に堅固かつコンパクトである。チーム全体が調和し、規律正しくプレーし、互いのために戦う。選手たちは一般的に戦術的、技術的によく訓練されており、集中力を欠いたりミスをしたりすることはほとんどない」

 「メンバーを見てみると、強みは攻撃的な中盤にある。鎌田大地、久保建英、南野拓実、堂安律のように、技術面で長けて、つねにゴールを狙える生き生きとした選手がいる。くわえて守備の安定性を確保できる選手も何人かいる。注目は冨安健洋、遠藤航、板倉滉だ」と綴っている。

 一方で日本代表の弱点については「運動量やフィジカルの面で、ヨーロッパのレベルで戦える選手が少ない。ほとんどの選手はどちらかというと背が低く小柄で、ゲームインテリジェンスに優れている。しかし、デュエルとヘディングの強さに欠ける」と指摘。

 「くわえて問題のあるポジションがいくつかある。シュミット・ダニエルはベルギーリーグでしか活躍していないゴールキーパーだ。左サイドバックには36歳の長友佑都しかおらず、それほど強力ではない。しかし、彼には代表戦138試合出場という国際舞台での経験がある」

 「おそらく最大の問題は、明確なゴールゲッターとセンターフォワードがいないことだろう。日本には優れた攻撃的ミッドフィルダーは多いが、国際的に実績のあるストライカーがいない」と、弱点のあるポジションにゴールキーパーやサイドバック、センターフォワードを挙げている。

 森保一監督はカタールW杯日本代表メンバーにFW古橋亨梧(セルティック)やFW大迫勇也(ヴィッセル神戸)といった生粋のストライカーを招集しなかった。この2選手の落選が本大会での戦いぶりにどのような影響を与えるのか注目が集まる。