いよいよワールドカップが始まったが、ここイングランドでは、それまで開幕が近づいているという雰囲気はまったくなかった。

 通常なら大会が始まる数週間前にイングランドの旗を掲げた車が走っているものだが、今回は一度も見ていない。直前までプレミアリーグが行われたいたせいもあるだろう。単なる「国際Aマッチウィーク」といった感じだ。

 正直、カタールとエクアドルの開幕戦では、英国のサッカーファンをまったく興奮させないのだ。本格的にムードが高まるのは、イングランドがイランとの初戦(21日)を迎えてからだろう。
 
 夏にワールドカップが開催されれば、トーナメントまでの準備期間が長くなり、その間リーグ戦は終了しているため、誰もがワールドカップに集中するのだが……。

 イングランドのファンは楽観的で、イラン、アメリカ、ウェールズと対戦するグループステージの突破は間違いないと見ている。それもいまいち盛り上がりに欠ける理由のひとつかもしれない。

 しかも、グループステージの試合は10時、13時、16時、19 時に開始されるため、仕事をしている人には見づらい。ファンはグループステージを1位抜けして、決勝トーナメントの試合は19時からの試合になるのを望んでいる。

 その決勝トーナメントで躍進するには、ハリー・ケインの活躍が不可欠だ。正直、守備は安心できない。大舞台での活躍を期待しているのは、ジュード・ベリンガムとデクラン・ライスだ。

 優勝予想は残念ながらイングランドではなく、頭一つ抜けているブラジル。前回王者のフランスも強いが、カリム・ベンゼマやポール・ポグバが欠場するのはやはり痛い。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

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